平成26年版 消防白書

[雪害対策]

1.雪害の現況と最近の動向

平成25年11月から平成26年3月までの雪害による人的被害は、死者95人(前年104人)、負傷者1,770人(同1,517人)、住家被害は、全壊28棟(同5棟)、半壊40棟(同7棟)、一部破損5,872棟(同194棟)となっている。
〈平成26年2月14日から16日の大雪による被害状況等〉
前線を伴った低気圧が、平成26年2月14日から16日にかけて発達しながら本州の南岸を北東へ進み、西日本から北日本の広い範囲で雪が降り、特に関東甲信地方では、14日夜から15日にかけて大雪となった。この大雪により山梨県、埼玉県及び群馬県を中心に、道路が寸断され多数の孤立地域が発生するなどの被害が発生した。
消防庁では、2月15日午後2時25分に応急対策室長を長とする「消防庁災害対策室(第1次応急体制)」を設置し情報収集体制の強化を図った。また、2月18日午前10時30分には、災害対策基本法第24条第1項に基づき、政府に、「平成26年(2014年)豪雪非常災害対策本部」が設置されたことを受け、消防庁の体制を消防庁次長を長とする「消防庁災害対策本部(第2次応急体制)」に改組した。人命救助等のため、山梨県知事から消防庁長官に対して広域航空消防応援活動の要請が行われ、消防庁では直ちに消防庁長官から、3航空隊3機(長野県、静岡県、神奈川県横浜市)の消防防災ヘリコプターの出動を要請した。
この大雪による人的被害は、死者26人(岩手県2人、秋田県1人、群馬県8人、埼玉県3人、山梨県5人、長野県4人、岐阜県1人、静岡県1人、宮崎県1人)、負傷者701人、住家被害は、全壊16棟、半壊46棟、一部破損585棟となっている(いずれも平成25年11月から平成26年3月までにかけての雪害による被害状況の内数である。)。

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