平成26年版 消防白書

2.雪害対策の現況

過去の10年間(平成16年11月~平成26年3月)の自然災害による犠牲者をみると、雪害による犠牲者は838人にのぼっている。特に、近年の要因をみると屋根の雪下ろし等除雪作業中の死者が多く、また、犠牲者のおよそ3分の2が65歳以上の高齢者である。
平成25年11月から平成26年3月には、雪害により95人(平成26年10月23日現在)の方が犠牲となった。犠牲者の約7割にあたる66人が屋根の雪下ろし等の除雪作業中の事故によるもの、そして犠牲者の約8割にあたる71人が65歳以上の高齢者となっている。
このような状況の中、消防庁では、都道府県や市町村に対して、毎年積雪期を前にした12月に、気象等に関する情報の収集・伝達の徹底、除雪作業中の事故防止等に向けた住民に対する普及啓発・注意喚起、安全で円滑な雪処理体制の整備、大雪発生に備えた災害即応体制の確立など、人命の安全確保を最重点とする雪害対策に万全を期すよう地方公共団体に要請を行っている。また、融雪期前の3月には、雪崩や河川の氾濫及び土砂災害に係る危険箇所等の巡視・点検の実施など、改めて防災態勢の強化を要請している。

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