平成26年版 消防白書

2.開発途上諸国からの研修員受入れ

(1) 課題別研修の実施

消防庁では、JICAと連携し、開発途上諸国の消防防災機関職員を対象に「救急救助技術」研修及び「消防・防災」研修(平成25年度までは「消火技術」研修として実施)の2コースの課題別研修を、消防本部の協力の下で実施している。
「救急救助技術」研修は大阪市消防局が、「消防・防災」研修は北九州市消防局が実施しており、これまでに、それぞれ、242人、239人を受け入れて研修を実施している。
各コースの研修生は、研修を通じて身に付けた我が国の消防に関する知識や技術を自国の消防防災能力の向上に大いに活用している。

(2) 国別研修の実施

消防庁では、課題別研修のほか開発途上諸国の個別の要請に基づき実施する国別研修をJICAと連携し実施している。
平成24年度から平成26年度まで、イラン・イスラム共和国に対して「消防運用体制」研修を実施しており、3年目となる今年度は、消防庁、東京消防庁、神戸市消防局において消防制度、コミュニティ防災、人材育成等について研修を行った。
また、平成26年度から平成28年度まで、マレーシアに対して、「消防行政能力向上」研修を実施しており、今年度は、消防庁、千葉市消防局、松戸市消防局、東京消防庁において、消防職・団員の教育訓練、通信指令業務等について研修を行った。

(3) 各国への情報提供等

消防庁では、このような研修のほかにも開発途上諸国を中心として各国からの情報提供、視察等の要望に随時対応している。各国大使館、JICA、一般財団法人自治体国際化協会等の協力依頼に基づき、各国からの消防防災、危機管理分野等の関係者の訪問を受入れ、それぞれの要望に応じた情報提供、関連施設の視察等を実施している。

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