平成26年版 消防白書

[国際協力・国際交流]

1.アジア国際消防防災フォーラムの開催

近年アジア諸国では、経済発展・都市化などが進む中、人命・財産や都市インフラ、各種施設等を火災や自然災害から守るため、消防防災体制を拡充する必要性が高まりつつあり、人命救助や消火、火災予防の技術や制度に関して、我が国の消防に対する期待も大きい。
このようなことを踏まえ、主としてアジア圏内各国を対象に、対象国の状況に応じ、消防防災能力の向上に資するため、我が国の消防技術・制度・体制等を当該国で広く紹介する国際消防防災フォーラムを平成19年度から開催している。フォーラムは、各国消防防災部局との信頼関係を構築し、不測の災害救援にも備えるものである。
平成26年度は、9月にカンボジア王国プノンペン市において本フォーラムを開催した。
急速な都市化が進むカンボジア王国は、平成20年度に我が国において「トップマネージャーセミナー」研修を受講し、我が国の消防防災制度に関する知識の習得を図り、平成25年度に消防法の制定に至るなど国内の消防防災体制の強化に取り組んでいる状況である。
本フォーラムでは消防力の強化、職員の人材育成や火災予防制度等について情報共有や活発な意見交換を行うとともに、我が国の消防防災インフラシステムの海外展開を推進する取組の一つとして、日本の企業による消防製品の紹介・展示を行ったところ、カンボジア王国の消防関係者から高い関心が示された。

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