平成26年版 消防白書

3.派遣実績

国際消防救助隊の海外災害派遣は、「国際緊急援助隊の派遣に関する法律」施行前の2回を含めこれまでに18回の実績がある(第5-2表)。

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平成20年5月に発生した中国四川省における大地震災害においては、国際緊急援助隊救助チーム61名(うち国際消防救助隊員17名)が派遣され、都市型災害救助技術を発揮して、学校、寄宿舎等の建物倒壊現場で救助活動を行った。残念ながら生存者の救出には至らなかったものの、救助隊員の勤勉かつ真摯な救助の姿勢には、同年来日した胡錦濤中国国家主席からも直接謝意を表されるなど中国側からも大きな賞賛が寄せられた。
平成21年9月に発生したインドネシア西スマトラ州パダン沖地震災害においては、国際緊急援助隊救助チーム65名(うち国際消防救助隊員17名)を他の救援国に先駆けていち早く被災地に派遣し、最大の被災地となったパダン市街のホテル・市場等の建物施設倒壊現場において捜索活動を行った。
平成23年2月に発生したニュージーランド南島地震災害においては、ニュージーランド政府からの援助要請に先駆け、緊急調査チーム3名(外務省、東京消防庁、JICA)を派遣した。その後、同政府からの援助要請を受け第1陣から第3陣まで合計128名の国際緊急援助隊救助チーム(緊急調査チーム含む。うち国際消防救助隊員33名)を派遣した。第1陣と第2陣は、クライストチャーチ市にあるCTVビル倒壊現場において捜索救助活動を行い、第3陣は、同市内8カ所の損壊建物において捜索などの活動を行った。

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