第3節 石油コンビナート災害対策
[石油コンビナート災害の現況と最近の動向]
1.事故件数と被害
平成26年中に石油コンビナート等特別防災区域(P.97参照。以下「特別防災区域」という。)の特定事業所*1で発生した事故の総件数は253件で、その内訳は地震及び津波による事故(以下「地震事故」という。)が0件、地震事故以外の事故(以下「一般事故」という。)が253件となっている。前年と比較すると、総件数及び一般事故とも増加しており、特に一般事故に限れば前年(228件)より25件の増加となり、これまでで最多となっている(第1-3-1図)。

事故の種別は、火災104件(前年比22件増)、爆発6件(前年比1件増)、漏えい135件(前年比2件増)、その他8件(前年比1件減)となっている(第1-3-1表)。

一般事故の発生件数の推移をみると、石油コンビナート等災害防止法施行後は減少傾向にあったが、平成6年(1994年)から増加傾向に転じ、平成18年に急増した。その後、平成20年、平成21年と2年連続して減少したが、平成22年から再び増加傾向に転じ、平成26年に過去最高を記録した。
平成26年中に発生した事故による死傷者数は、死者5人、負傷者76人である。
また、一般事故の原因をみると、設備の劣化や故障などの物的要因が140件(55.3%)、管理面や操作面などの人的要因が98件(38.7%)となっている。
*1 特定事業所:第1種事業所(石油の貯蔵・取扱量が1万キロリットル以上又は高圧ガスの処理量が200万立方メートル以上等である事業所)及び第2種事業所(石油の貯蔵・取扱量が千キロリットル以上又は高圧ガスの処理量が20万立方メートル以上等である事業所)をいう。