平成29年版 消防白書

4.事業所のレイアウト規制

(1)レイアウト規制

石油コンビナート災害の拡大を防止するには、石油コンビナートを形成する事業所の個々の施設を単体として規制するだけでは十分でなく、被害軽減の観点から事業所全体で対策を講じることが必要である。
このため、石油コンビナート等災害防止法では、レイアウト事業所について、敷地内の施設地区の配置や通路の確保等に関する一定の基準を設け、事業所の新設又は施設地区等の配置の変更を行う場合には、計画の届出を義務付けるとともに、その完了後には当該計画に適合しているかどうかについて確認を受けなければならないと規定している。
レイアウト事業所における石油の貯蔵・取扱量及び高圧ガスの処理量は、それぞれ、特定事業所全体の約60%及び約98%となっている(平成29年4月1日現在)。

(2)新設等の届出等の状況

平成28年度におけるレイアウト事業所の新設又は変更の届出件数は8件であり、確認件数は9件であった(第1-3-3図)。

第1-3-3図 レイアウト規制対象事業所の新設等の届出及び確認の状況

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第1-3-3図 レイアウト規制対象事業所の新設等の届出及び確認の状況

(備考)
1 石油コンビナート等災害防止法第5条及び第7条の規定に基づく届出の件数により作成
2 石油コンビナート等災害防止法第11条の規定に基づく確認の件数により作成
3 新設等の届出が行われてから、確認を行うまでに一定の工事期間を要することから、各年度の届出件数と確認件数は合致しない。

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