[石油コンビナート災害対策の課題]
1.石油コンビナートにおける災害対策の推進
(1)東日本大震災を踏まえた石油コンビナートの地震・津波対策
東日本大震災では、特別防災区域内において火災等の災害や特定防災施設等に被害が生じたことから、特定事業者における地震・津波対策を推進する必要がある。
(2)特定事業所における防災体制の充実強化
特別防災区域の特定事業所における火災、漏えい等の一般事故の中には、大規模な爆発、火災の延焼等により、当該事業所の敷地外、さらには特別防災区域外にまで影響が及ぶ事案や、収束まで長期間を要する事案が発生している。
このような状況を踏まえ、今後も引き続き特定事業所における事故防止体制と災害応急体制の充実強化に取り組む必要がある。
また、異常現象の通報については、通報までに時間を要している事案が見られることから、通報の迅速化について特定事業所に助言又は指導を行う必要がある。
主な石油コンビナート災害は、附属資料1-3-2のとおりである。
(3)大容量泡放射システムの効果的な活用
大容量泡放射システムについては、平成23年3月の東日本大震災時に基地から現場までの搬送を行った事例(千葉県での高圧ガス施設の爆発火災、宮城県での屋外貯蔵タンクの浮き屋根沈降疑い事案)、平成24年11月に基地から現場までの搬送及び設定を行った事例(沖縄県での屋外貯蔵タンクの浮き屋根沈降事故)において活用された。
大容量泡放射システムの災害時における実効性を高めるために、広域共同防災組織等において同システムを用いた取扱訓練や放水訓練等が実施されている。今後も引き続き、広域共同防災組織等における防災訓練及び特定事業者と道府県を中心とした関係防災機関等が一体となった防災訓練を最近の災害事例を踏まえた実践的な内容で実施する必要がある。