平成29年版 消防白書

2.雪害対策の現況

過去の10年間(平成19年12月~平成29年3月)の自然災害による犠牲者をみると、雪害による犠牲者は762人に上っている。特に、近年の要因をみると屋根の雪下ろし等除雪作業中の死者が多く、また、犠牲者の約7割が65歳以上の高齢者である。
平成28年11月から平成29年3月には、雪害により65人(平成29年5月9日現在)が犠牲となった。犠牲者の約7割に当たる45人が屋根の雪下ろし等の除雪作業中の事故によるものである。
このような状況の中、消防庁では、都道府県や市町村に対して、毎年降積雪期を前に、気象等に関する情報の収集・伝達の徹底、除雪作業中の事故防止等に向けた住民に対する普及啓発・注意喚起、安全で円滑な雪処理体制の整備、大雪発生に備えた災害即応体制の確立など、人命の安全確保を最重点とする雪害対策に万全を期すよう地方公共団体に呼び掛けている。また、融雪期前には、雪崩や河川の氾濫及び土砂災害に係る危険箇所等の巡視・点検の実施など、改めて防災態勢の強化を呼び掛けている。

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