平成29年版 消防白書

3.糸魚川市大規模火災を踏まえた基本的な考え方

(1)本火災のような大規模火災の発生可能性

上記1(2)及び(3)で述べたように、糸魚川市は、地域特性や気象条件に関し、全国的に見て特別な地域であるわけではない。
したがって、全国どこでも木造の建築物が多い地域においては、強風下で火災が発生し今回のような大規模な火災になり得るという前提に立って必要な対策を検討することが必要である。

(2)今後の消防のあり方

上記(1)を踏まえると、まず、自らの管轄区域における市街地構造を分析し、木造の建築物が多い地域などの大規模な火災につながる危険性が高い地域を確認・指定しておくことが必要である。その上で、火災が発生した時点において迅速かつ適切な消防活動を行うため、出動すべき消防車両の台数、飛び火警戒のための職員の配置等について、あらかじめ基準等を定めて準備を行っておくことが必要である。

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