平成30年版 消防白書

2.都道府県・消防機関における防災体制

(1)防災体制の確立

特別防災区域が所在する都道府県では、石油コンビナート等災害防止法に基づき、石油コンビナート等防災本部(以下「防災本部」という。)を中心として関係機関等が一致協力し、総合的かつ計画的に防災体制を確立している。
防災本部は、石油コンビナート等防災計画(以下「防災計画」という。)の作成、災害時における関係機関の連絡調整、防災に関する調査研究の推進等の業務を行っている。

(2)災害発生時の応急対応

特別防災区域で災害が発生した場合、その応急対応は、防災計画の定めるところにより、防災本部を中心として、都道府県、市町村、関係機関、特定事業者等が一体となって行われる。
その際、消防機関は、防御活動の実施、自衛防災組織等の活動に対する指示を行う等の重要な役割を担っている。

(3)特別防災区域所在市町村等の消防力の整備

特別防災区域内で発生する災害は、大規模かつ特殊なものになるおそれがあり、それら災害に対応するための消防力を整備することは重要である。
平成30年4月1日現在、特別防災区域所在市町村の消防機関には、大型化学消防車69台、大型高所放水車56台、泡原液搬送車89台、大型化学高所放水車28台、3%泡消火薬剤3,030kl、6%泡消火薬剤746kl、消防艇23隻等が整備されている。
また、市町村の消防力を補完し、特別防災区域の防災体制を充実強化するため、特別防災区域所在都道府県においても、泡原液貯蔵設備27基、可搬式泡放水砲5基等が整備されている。
さらに、緊急消防援助隊のエネルギー・産業基盤災害即応部隊(ドラゴンハイパー・コマンドユニット)の体制整備や高度な消防ロボットの研究開発を行っている。

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