平成30年版 消防白書

2.雪害対策の現況

過去10年間(平成20年12月~平成30年3月)、雪害による犠牲者は831人に上っている。特に、近年の要因をみると屋根の雪下ろし等除雪作業中の死者が多く、また、犠牲者の約7割が65歳以上の高齢者である。
平成29年11月から平成30年3月の雪害による死者116人のうち、約9割に当たる102人が屋根の雪下ろし等の除雪作業中の事故によるものである。
このような状況の中、中央防災会議会長から都道府県防災会議会長に対し、毎年降積雪期を前に、気象等に関する情報の収集・伝達の徹底、除雪作業中の事故防止等に向けた住民に対する普及啓発・注意喚起、安全で円滑な雪処理体制の整備、大雪発生に備えた災害即応体制の確立等を要請し、地方公共団体が、人命の安全確保を最重点とする雪害対策に万全を期すよう呼び掛けている。また、融雪期前には、雪崩や河川の氾濫及び土砂災害に係る危険箇所等の巡視・点検の実施など、改めて防災態勢の強化を呼び掛けている。

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