3.消防庁の取組
(1)女子学生等を対象とした職業説明会(ワンデイ・インターンシップ)等
ワンデイ・インターンシップとは、これから社会人となる年齢層の女性に、消防の仕事の魅力と消防分野での女性活躍の可能性を知ってもらい、消防を志す女性を増やすために各消防本部と連携して実施するもので、平成29年度は全国8か所の会場で開催し、107消防本部の協力の下、470人の参加があった(特集6-1表)。
特集6-1表 職業説明会(ワンデイ・インターンシップ)開催実績
【平成29年度の開催実績】

各会場では、消防士を目指すきっかけや、消火、救急、救助、火災予防等の各業務の経験などについての現役女性消防吏員による講演や座談会を行うとともに、ブースを設け現役女性消防吏員との対話を通じて、様々な疑問にもきめ細かく対応した。また、近隣の消防署にて執務室の見学や消防車両の体験乗車、消防活動訓練の見学等を実施した。
平成30年度においても、上記職業説明会を開催するほか、民間主催の就職イベントへの各消防本部の参加の呼び掛けや消防本部が実施する女子学生等向け職場体験の支援等を行っている。
また、平成30年度は、現役の女性消防吏員をゲストとして招き、インターネットを利用した職業説明会を実施している。チャット可能なライブ配信だけでなく、録画型のオンデマンド配信でバックナンバーも視聴することができるため、全国の女子学生等が、それぞれの都合の良い日時に閲覧できるようにしている。
(2)ポスター等による広報
平成29年度に引き続き、30年度も、女性を対象とした消防の魅力を伝えるためのポスター(特集6-2図)を作成した。また、女子学生等の理解をより深めるため、女性消防吏員のキャリアパス、勤務形態や勤務条件等について具体的事例を用いて示した「女性消防士のWORK+LIFEガイドブック」を配布した(特集6-3図)。
特集6-2図 女性消防吏員PRポスター
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特集6-3図 女性消防士のWORK+LIFEガイドブック
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(3)ポータルサイト等による幅広いPR
消防庁ホームページ内に女性消防吏員の活躍推進のためのポータルサイトを平成28年度に開設した。
この中に、男女ともに安心して働き続けられる職場環境であることを伝える「教育制度・福利厚生」、消防の仕事に関する疑問等を解消する「女性消防士Q&A」、ワンデイ・インターンシップ等を紹介する「イベント情報」、全国の各消防本部の基礎情報やホームページのリンク等が一目で分かる「消防本部サーチ」(特集6-4図)のほか、現役女性消防吏員の生き生きとした活動を紹介する動画を掲載している。なお、「消防本部サーチ」については、平成30年度にリニューアルし、各消防本部の採用試験情報を簡単に検索できるようにした。また、平成28年度に、総務省消防庁公式Facebookページ「総務省消防庁-女性活躍-」を開設し、ソーシャルメディアを通じて身近でタイムリーな情報の発信を行っている。
特集6-4図 女性消防吏員の活躍推進のためのポータルサイト内「消防本部サーチ」
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加えて、消防庁ホームページ及び民間就職情報提供サイトに、各消防本部が行う職場体験の実施日時・体験内容等を掲載し、女子学生等から直接職場体験に参加申し込みができる窓口も設けている。
(4)消防庁女性活躍ガイドブックの作成
平成30年3月に先進的な取組を行っている消防本部の事例等をまとめた「消防庁女性活躍ガイドブック」を作成し、全国の消防本部等に提供するとともに、消防庁ホームページにも公開している(http://www.fdma.go.jp/disaster/josei_souboriin_katuyaku_suisin/index.html)。
(5)女性消防吏員活躍推進アドバイザー制度の新設
消防庁では、女性消防吏員の採用が進んでいる消防本部の人事担当者や女性活躍に関する有識者を希望する消防本部等に派遣して、採用促進の具体的取組等について助言する「女性消防吏員活躍推進アドバイザー制度」を平成29年12月に新設した。これまでに16件派遣し、1,293人の参加がある(平成30年10月1日現在)。

(6)全国説明会の開催
平成30年度は、5月から8月にかけて、全国7か所で各消防本部の人事担当幹部等を対象に説明会を開催し、消防本部における女性消防吏員の活躍推進の意義や各消防本部の取組状況等を説明したほか、先進的な取組を行っている消防本部を視察し、女性消防吏員確保のための課題や対策についての意見交換を行った。

(7)消防大学校における取組
消防大学校の教育訓練では、平成28年度から女性消防吏員のキャリア形成の支援を主たる目的とした5日間の女性専用コース「女性活躍推進コース」を実施するとともに、各学科の定員の5%を女性消防吏員の優先枠として設定し、女性の入校を推進している。
また、消防長をはじめとした幹部職員に対して、女性の職域拡大、上司の育児参加の理解・支援を含めた働きやすい環境の整備など、女性活躍推進に係る意識の改革・醸成等を目的とした講義を実施している。
平成29年度からは、女性活躍推進コースの定員を48人から60人に増員するとともに、教育日数を5日間から7日間に拡充しているほか、女性の活躍推進をテーマとした「消防大学校フォーラム」を開催している。

