平成30年版 消防白書

特集7 住宅宿泊事業(民泊)における防火安全対策

1.民泊の動向

近年、インターネットを通じて、空き室を短期で貸したい人と旅行者をマッチングするビジネスが世界各国で展開されており、我が国でも急速に普及している。こうした民泊サービス(以下「民泊」という。)について、急増する訪日外国人旅行者(特集7-1図)の宿泊需要や、空きキャパシティの有効活用、地域活性化などの要請に応えるとともに、テロ防止や感染症まん延防止などの適正な管理、安全性の確保や地域住民等とのトラブル防止を図りつつ、適正に活用されるよう、住宅宿泊事業法が平成29年6月16日に公布され、平成30年6月15日から施行された。また、住宅宿泊事業法の公布以前にも、違法民泊が広がっている実態を踏まえ、旅館業法施行令の一部改正(平成28年4月1日施行)により、宿泊者数10人未満の場合は、客室の延床面積を1人当たり3.3m2以上とするよう、簡易宿所営業の許可要件が緩和され、合法的な民泊サービスの推進が図られた。

特集7-1図 訪日外国人旅行者数の推移

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特集7-1図 訪日外国人旅行者数の推移の画像

資料:日本政府観光局(JNTO)資料に基づき観光庁作成
(備考)「平成30年版 観光白書」から引用

今後益々、民泊需要の高まりが想定されることから、消防庁では安全性を確保するために必要な防火安全対策を講じつつ、消防用設備等の規制の合理化を行い健全な民泊の普及を推進している。

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