令和3年版 消防白書

7.消防用機械器具等の検定等

(1)検定

消防法では、検定の対象となる消防用機械器具等(以下「検定対象機械器具等」という。)は、検定に合格し、その旨の表示が付されているものでなければ、販売し又は販売の目的で陳列する等の行為をしてはならないこととされている。
検定対象機械器具等は、消火器、閉鎖型スプリンクラーヘッド等、消防法施行令に定める12品目である。
この検定は、「型式承認」(形状等が総務省令で定める技術上の規格に適合している旨について総務大臣が行う承認)と「型式適合検定」(個々の検定対象機械器具等の形状等が、型式承認を受けた検定対象機械器具等の型式に係る形状等と同一であるかどうかについて日本消防検定協会又は登録検定機関が行う検定)からなっている。
また、新たな技術開発等に係る検定対象機械器具等について、その形状等が総務省令で定める技術上の規格に適合するものと同等以上の性能があると認められるものについては、総務大臣が定める技術上の規格によることができることとされている。
検定制度では、過去の不正事案等を踏まえて、規格不適合品や規格適合表示のない検定対象機械器具等を市場に流通させた場合の総務大臣による回収命令や罰則等を消防法で規定している。
令和2年度中の型式承認は、消火器29件、消火器用消火薬剤1件、泡消火薬剤5件、火災報知設備の感知器又は発信器49件、中継器2件、受信機16件、住宅用防災警報器22件、閉鎖型スプリンクラーヘッド0件、流水検知装置3件、一斉開放弁6件、金属製避難はしご2件及び緩降機0件となっている。また、型式適合検定の合格数は、21,901,430個となっている(資料1-1-69)。

(2)自主表示

消防法では、自主表示の対象となる機械器具等(以下「自主表示対象機械器具等」という。)は、製造事業者等の責任において、自ら規格適合性を確認し、あらかじめ総務大臣に届出を行った型式について表示を付すことができるとされており、また、表示が付されているものでなければ、販売し又は販売の目的で陳列する等の行為をしてはならないこととされている。
また、検定対象機械器具等と同様に、規格不適合品や規格適合表示のない自主表示対象機械器具等に係る総務大臣による回収命令や罰則等を消防法で規定している。
自主表示対象機械器具等は、動力消防ポンプ、消防用ホース等、消防法施行令に定める6品目である。
令和2年度中の製造事業者からの届出は、動力消防ポンプ10件、消防用ホース23件、消防用吸管1件、消防用結合金具13件、エアゾール式簡易消火具1件及び漏電火災警報器13件となっている。

関連リンク

はじめに
はじめに 昨年は、静岡県熱海市土石流災害や8月11日からの大雨などの自然災害に見舞われ、多くの人的・物的被害が生じました。 また、新型コロナウイルス感染症への対応として、救急隊員の感染防止対策の徹底や、ワクチン接種業務への救急救命士の活用など様々な対応が求められました。 気候変動...
1.令和3年7月静岡県熱海市土石流災害による被害及び消防機関等の対応状況
特集1 最近の大規模自然災害等への対応 1.令和3年7月静岡県熱海市土石流災害による被害及び消防機関等の対応状況 (1)災害の概要 6月末から日本付近に停滞した梅雨前線の影響で、西日本から東北地方の広い範囲で大雨となり、各地で河川氾濫、浸水、土砂崩れ等が発生した。 静岡県熱海市では、降り始めから7月...
2.令和3年8月11日からの大雨による被害及び消防機関等の対応状況
2.令和3年8月11日からの大雨による被害及び消防機関等の対応状況 (1)災害の概要 ア 気象の状況 8月11日から21日にかけて、日本付近に停滞した前線に暖かく湿った空気が断続的に流れ込んだ影響で前線の活動が活発となり、西日本から東日本の広い範囲にかけて大雨となった。 特に、8月12日から14日は...
3.栃木県足利市林野火災による被害及び消防機関等の対応状況
3.栃木県足利市林野火災による被害及び消防機関等の対応状況 (1)災害の概要 ア 火災の概要 令和3年2月21日15時20分頃、栃木県足利市西宮町地内にある両崖山山頂付近の山林(通称「紫山」)から出火した。管轄の足利市消防本部は同日の15時36分に覚知し消火活動に当たったが、強風注意報が発表された2...