はじめに
昨年は、静岡県熱海市土石流災害や8月11日からの大雨などの自然災害に見舞われ、多くの人的・物的被害が生じました。
また、新型コロナウイルス感染症への対応として、救急隊員の感染防止対策の徹底や、ワクチン接種業務への救急救命士の活用など様々な対応が求められました。
気候変動の影響により、近年、多様化・激甚化・頻発化する風水害や、切迫する大規模地震・津波災害、火山災害等に備えるため、防災・減災、国土強靱化の取組を進めることが重要であり、国民の生命・財産を守る消防の果たす役割は益々増大しています。
令和3年版消防白書では、特集として、最近の大規模自然災害等への対応のほか、新型コロナウイルス感染症対策、消防団を中核とした地域防災力の充実強化、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」における消防庁の取組、消防防災分野におけるDXの推進について記載しています。
第1章以下では、火災や風水害をはじめとする各種災害の現況と課題、消防防災の組織と活動、国民保護への対応、自主的な防火防災活動と災害に強い地域づくり、国際的課題への対応及び消防防災の科学技術の研究・開発について記載しています。
この白書が、消防防災に対する国民の皆様のご理解を深め、国や地方公共団体だけではなく、住民、企業も含めた総合的な消防防災体制を確立するに当たって、広く活用いただけることを願っています。
令和4年1月