2.避難行動要支援者に係る避難の実効性の確保
「令和元年台風第15号・第19号をはじめとした一連の災害に係る検証レポート(最終とりまとめ)」(令和2年3月)においては、令和元年東日本台風における死者(84名)のうち65%、自宅での死者(34名)のうち79%が65歳以上の高齢者であったとされており、このような状況を踏まえ、令和3年5月に改正された災害対策基本法では市町村に避難行動要支援者ごとの個別避難計画の作成が努力義務化された。
市町村においては、同法や、内閣府が定める「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」(平成25年8月、令和3年5月改定)に基づき、地域におけるハザードの状況や当事者本人の状況を踏まえ、優先度の高い者から、同計画を着実に作成することが求められる。
こうした取組を支援できるよう、内閣府と連携して避難行動要支援者名簿及び個別避難計画の作成状況について実態を把握するとともに、先進的な取組事例を共有する等、引き続き同計画の着実な作成に向けて取り組む。
(1)避難行動要支援者名簿の作成
災害対策基本法では、避難行動要支援者名簿を作成することが市町村の義務とされている。令和2年10月1日現在の調査結果では、全市町村(1,741団体)のうち、避難行動要支援者名簿を作成済の市町村は99.2%(1,727団体)であった。
消防庁では、未作成市町村へ名簿を作成するよう促しており、作成完了まで継続支援していく。
(2)個別避難計画の作成
令和3年5月の災害対策基本法の改正により、市町村に避難行動要支援者ごとの個別避難計画を作成することが努力義務化された。
これを踏まえ、内閣府では同月に避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針に個別避難計画の具体的な作成手順を定め、様式例を掲載するなどの改定を行った。
消防庁では、内閣府とともに当該指針を、都道府県を通じて市町村に通知したところであり、引き続き、市町村の個別避難計画の作成を促し、支援していく。