令和3年版 消防白書

4.安全衛生体制の整備

(1)安全衛生体制

消防庁においては、公務災害の発生を可能な限り防止するとともに、消防活動を確実かつ効果的に遂行するため、消防本部における安全管理体制の整備について、「消防における衛生管理に関する規程」、「消防における安全管理に関する規程」、「訓練時における安全管理に関する要綱」、「訓練時における安全管理マニュアル」及び「警防活動時等における安全管理マニュアル」をそれぞれ示し、体制整備の促進及び事故防止の徹底を図ってきた。

(2)惨事ストレス対策

消防職団員は、火災等の災害現場などで、悲惨な体験や恐怖を伴う体験をすると、精神的ショックやストレスを受けることがあり、これにより、身体、精神、情動又は行動に様々な障害が発生するおそれがある。このような問題に対して、消防機関においても対策を講じる必要があり、消防庁では、消防職団員への強い心理的影響が危惧される大規模災害等が発生した場合、現地の消防本部等の求めに応じて、精神科医等の専門家を派遣し、必要な支援を行う「緊急時メンタルサポートチーム」を設置している。令和3年は4件の派遣があり、創設からこれまでに82件の派遣実績がある(令和3年10月1日現在)。
なお、派遣の最も多い災害は東日本大震災であった(21件)。

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