特集3 G7広島サミットにおける消防特別警戒等
令和5年5月19日から21日まで広島市の「グランドプリンスホテル広島」を主会場として、G7広島サミットが開催された。当該サミットは、G7メンバーのほか招待国、国際機関及びゲスト国が参加した国際会議であった。
消防としてもサミットの円滑な運営と会議参加者の安全を確保するため、関係施設への火災予防対策やテロ災害を含めた各種災害発生時の即応体制を万全のものとし、消防責任を果たす必要があった。
1. サミット開催までの取組
令和4年7月15日の閣議了解により、広島市でのサミット開催が決定された後、サミットの開催準備に関し、政府全体の総合調整を図るため、内閣官房副長官を議長とする「G7広島サミット準備会議」が開催され、消防庁次長が構成員として参画した。
また、準備会議の下に、「G7広島サミット準備会議幹事会」及び「G7広島サミット準備会議セキュリティ対策部会」が設置され、それぞれ消防庁次長が構成員として参画した。これらの会議において、関係府省庁のサミットへ向けた取組状況を共有するとともに、サミットにおける消防・救急体制の構築を含むセキュリティ基本方針の決定等がなされた。
一方、サミット期間中における警防計画(火災、救急、救助活動に係る計画)、予防計画(事前査察、訓練指導、期間中の予防警戒活動に係る計画)等、具体的な消防・救急特別警戒体制を検討するため、令和4年10月28日、消防庁、広島県、関係消防本部及び全国消防長会で構成された「G7広島サミット消防・救急対策委員会」(委員長:消防庁次長)を設置するとともに、警防・予防対策をそれぞれ専門的に検討するための「警防部会」及び「予防部会」を設置し、サミットに向けた検討体制を整えた。
これら委員会等における審議を経て、警防計画及び予防計画を策定するとともに、NBC災害対応訓練や現地視察、首脳会議場・要人宿泊施設等の関連施設(207施設)に対する立入検査・自衛消防訓練指導等を実施した。
また、令和5年2月13日には、関係消防本部33本部による「G7広島サミット消防・救急体制整備に関する応援協定」が締結された。
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NBC災害対応訓練
消防特別警戒の実施に先立ち、サミット警戒に携わる消防隊員に対し、任務を伝達し、隊員の士気高揚を図るため、令和5年5月16日には、広島市南区にある「W the Bride’s Suite」に消防職員約150人が集結し、「任務伝達式」が行われた。式の中では、消防庁長官をはじめ、広島県知事、広島市長及び全国消防長会会長から激励が行われた。
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任務伝達式①
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任務伝達式②