令和6年版 消防白書

第1章 災害の現況と課題

第1節 火災予防

火災の現況と最近の動向

平成25年以降の出火件数をみると、おおむね減少傾向となっているが、令和3年からは、増加が続いている。令和5年中の出火件数は3万8,672件(対前年比2,358件増、同6.5%増)となっており、10年前(平成25年中)の出火件数4万8,095件の80.4%となっている。火災別では、主に建物火災と、その他の火災*1が増加している。また、火災による死者数も、平成25年以降おおむね減少傾向にあったが、令和3年からは増加が続いている。令和5年中の火災による死者数は、1,503人(対前年比51人増、同3.5%増)で、10年前(平成25年中)の火災による死者数1,625人の92.5%となっている(第1-1-1図、資料1-1-9)。

第1-1-1図 火災の推移と傾向図

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(備考)
1 「火災報告」により作成
2 各年の数値は、1月~12月に発生した火災を集計したもの。以下本節において、ことわりのない限り同じ。
3 「出火件数」、「死者数」、「出火件数比」、「建物焼損床面積比」、「死者数比」、「損害額比」は左軸を、「建物焼損床面積」、「損害額」は右軸を参照
4 「出火件数比」、「建物焼損床面積比」、「死者数比」、「損害額比」については、平成25年中の値を100とした比

*1 その他の火災:建物火災、林野火災、車両火災、船舶火災及び航空機火災以外の火災

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