令和6年版 消防白書

10.製品火災対策の推進

近年、火災の出火原因が極めて多様化する中、電気用品、燃焼機器、自動車など、国民の日常生活において身近な製品からも火災が発生しており、消費者の安心・安全の確保が強く求められていることから、消防庁では電気用品、燃焼機器、自動車等の不具合により発生した火災(以下「製品火災」という。)について対策の取組を強化している。 
これらの火災について、消防庁では、各消防機関から火災情報を網羅的に収集する体制を確立し、発火源となった製品の種類ごとに火災件数を集計し、消費者の安心・安全の確保のための注意喚起等を迅速かつ効率的に行っている。
令和5年中に発生した電気用品、燃焼機器、自動車等の火災について集計したところ、全体では1,175件、うち「製品の不具合により発生したと判断された火災」が182件、「製品の不具合が直接的な要因となって発生したか否か特定に至らなかった火災(調査中の火災を含む。)」が993件であった(第1-1-19図)。
この調査結果については、全国の消防機関に周知するとともに、収集した火災情報を消費者庁、経済産業省、国土交通省、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)と共有し、連携して製品火災対策を推進することとしている。
また、全国の消防機関が行う火災原因調査に対し、消防研究センターにおける専門的な知見や資機材による鑑識等の技術的支援を行うなど、消防機関の調査技術の向上を図り、火災原因調査・原因究明体制の充実に努めている。さらに、製品火災に係る積極的な情報収集や、関係機関との連携強化を図ることにより、消費者の安心・安全を確保し、製品に起因する火災事故の防止を促進することとしている。

第1-1-19図 最近5年間の製品火災の調査結果の推移

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(備考)詳細については、消防庁ホームページ参照

(URL:https://www.fdma.go.jp/mission/prevention/cause/34530.html

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