令和6年版 消防白書

第4節 林野火災対策

林野火災の現況と最近の動向

令和5年中の林野火災の出火件数は1,299件(対前年比60件増)、焼損面積は844ha(同239ha増)、死者数は8人(同5人減)、損害額は1億2,519万円(同2億1,949万円減)となっている(資料1-1-47)。
林野火災の出火件数を月別にみると、3月に最も多く発生しており、次いで4月、2月と、降水量が少なく空気が乾燥し強風が吹く時期に多くなっている(第1-1-18図)。この原因としては、この時期に火入れが行われることや、山菜採りやハイキング等で入山者が増加することによる火の不始末等が考えられる。
規模の大きな林野火災事例としては、令和5年においては、3月に福島県郡山市で発生し113haを焼損した火災、5月に長野県茅野市で発生し166haを焼損した火災がある。
また、令和6年*1においては、1月に広島県江田島市で発生し243haを焼損した火災、4月に岩手県宮古市で発生し187haを焼損した火災がある。

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令和6年1月広島県江田島市で発生した林野火災
(福島県消防防災航空隊提供)

*1 令和6年については速報値であり、今後、変更の可能性がある。

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