令和6年版 消防白書

2.救助活動の実施体制

(1)救助隊数及び救助隊員数

救助隊は、救助隊の編成、装備及び配置の基準を定める省令(昭和61年自治省令第22号)に基づき、消防本部及び消防署を置く市町村等に設置されている。人命の救助に関する専門的な教育(140時間)を受けた隊員、救助活動に必要な救助器具及びこれらを積載した救助工作車等によって構成され、救助隊、特別救助隊、高度救助隊及び特別高度救助隊*2の4つに区分される。
令和6年4月現在、703消防本部に1,412隊設置されており、救助隊員は2万4,407人(対前年比6人減)となっている。

(2)救助活動のための救助器具等の保有状況

救助活動のための救助器具等には、油圧スプレッダー等の重量物排除用器具、油圧切断機等の切断用器具、可燃性ガス測定器等の検知・測定用器具等があり、発生が懸念されている大規模地震災害やNBC災害*3に備えて、より高度かつ専門的な機能が必要とされているため、緊急消防援助隊設備整備費補助金により、その整備促進を図っている(資料2-6-4)。

*2 特別救助隊・高度救助隊・特別高度救助隊:救助隊の編成、装備及び配置の基準を定める省令に基づき、人口10万人以上の消防常備市町村には特別救助隊が設置され、中核市等では1以上の特別救助隊を高度救助隊とし、また、東京消防庁及び指定都市では1以上の高度救助隊を特別高度救助隊(特殊災害対応自動車を保有し、ウォーターカッター等の特殊な器具を活用することができる専門性の高い部隊)とすることとされている。
*3 NBC災害:核(Nuclear)等、生物(Biological)剤及び化学(Chemical)剤によって発生した災害をいう。

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