3.ブロック塀からの救助

地震でブロック塀が倒壊し、人が挟まれています。このような場合の救出を考えてみましょう。

ブロック塀を破壊するために必要な資器材は、ハンマー・かなづち、斧、鉄パイプ、のこぎり、たがねなどが考えられます。

てこを利用して持ち上げる場合は、太さが10センチ角以上の亀裂が入っていない角材、太さが5センチ以上の鉄パイプ、支点となる堅い角材などが必要です。
また、自動車用のジャッキがあれば活用することもできます。
ブロック内の鉄筋を切る場合は、鉄線鋏などが必要です。

救出の手順を説明します。
挟まれている人に声をかけ、安心感を与えます。
挟まれている人の人数を確認します。
周囲の人に声をかけ、応援を求めます。
てこの原理を利用して、隙間を作り、痛みを和らげるようにします。
てこに使う支点は、角材等の堅く安定感のあるものを使用します。
ブロック塀の一部を破壊して、てこにかかる荷重を軽くするようにします。
持ち上げてできた空間が崩れないように角材等で補強します。
隙間があれば、てこの代わりにジャッキを使って持ち上げます。
空間ができたら挟まれた人を救出しますが、挟まれた人を無理に引き出そうとせず、様子を見ながら救出して下さい。絶えず声をかけ、けがの状態を確認しながら救出します。

救出するときの注意として、ブロック塀の一部を破壊する時には、挟まれている人に痛みを伝えないようにします。
てことして使う角材は、太さが10センチ角以上の亀裂が入っていない柱がいいでしょう。
鉄パイプは、太さが5センチ以上で、長すぎるものは曲がりやすいため2~3メートル程度のものがいいでしょう。

ブロックは壊れやすいので、てこの支点には使用しないよう注意します。
持ち上げる高さは、救出に必要なスペースとし、崩れ防止の措置をします。
自動車用ジャッキなどは、一点に力がかかるため、合板等のあて物をします。
せまい空間でも持ち上げることができるタイプのジャッキもあります。