6.FMラジオ局での取り組み

 北海道稚内市のエフエムわっかないは、災害時に、市役所や消防本部と連携して避難勧告などの伝達を非常放送や緊急放送として行う防災協力協定を結んでいます。
 平成14年6月の市内中心部での火災では避難指示の伝達を行いました。また、平成18年11月や平成19年1月に発生した地震の際には、津波警報が発表されたことを受けて、実際に住民に対して市が出した避難指示や避難勧告の伝達を行いました。
 取り組みや当時の様子などについてお話を聞いてみました。

Q.防災協力を始められたきっかけは?

 FMわっかないは、阪神淡路大震災の翌年に開設した放送局でございます。
 当時は、震災の教訓からラジオが情報伝達手段として有益であるとの情報を受けて、積極的に稚内市役所と防災について話し合った経緯がございます。

Q.平成14年に中心部で大火災がありましたが、その時の活動は?

 大火があった当日、消防サイレンを聞きつけたスタッフが数人集まってまもなく稚内消防署より、弊社に正式な情報が入った後、全スタッフを招集してリアルタイムな放送活動に入りました。
 社員を火災現場と稚内市災害対策本部に送り、中継を実施し当時は2台の中継機を使って要領良く情報を発信できたかと思います。
 火災現場からの避難誘導は弊社放送と海上保安部による見回りで進められ幸い犠牲者は出ませんでした。

Q.平成18年の年末や平成19年には、地震による津波警報が出されました。どのような活動をされましたか?

 稚内消防署より、弊社ラジオを使った緊急割り込み放送が、いずれの津波の時も放送されました。それを受けて社に残っていた社員が連絡網で、スタッフを招集して緊急放送を開始しております。
 放送班と稚内災害対策本部班と情報班に分かれまして、情報を集約して通常放送をカットして情報を伝えました。

Q.防災協力の取り組みがさらに効果を発揮するためにはどのような取り組みが必要でしょうか。

 私たちの市には、防災行政無線がありませんので、必要な防災情報を市民に届けるには、弊社FMラジオの役割が非常に大きいと思っております。
 お届けした情報が活きるには、その情報を聞いた市民が、適切に判断し行動を取ることが必要ではないかと思っております。
 今後皆様には、私たちの取り組みをもっと知って頂くことと、普段より防災意識を高めていって頂くことが大切かと思われます。