3.現地での活動

では、現地に着いたらどうすればよいのでしょう。

活動を始めるにあたっては、現地の社会福祉協議会などに設置されたボランティアセンターを訪ね、オリエンテーションを受けることが大切です。そのことが、詳しい現地の状況を知ることにも、自分の活動内容や役割を確認することにもなります。

特に、避難所が多数置かれているような状況では、ボランティアの力が必要になってきます。

避難所での活動だけでも、炊き出しや湯茶の提供、高齢者の話し相手、子どもの遊び相手、物資の運搬や情報の貼り出しなど、ボランティアが手伝える事はたくさんあります。

また、避難所内に限らず、被災した人々の手助けになる活動も数多くあります。被災地周辺の安全が確認されてくると、自宅の状況が心配になるとともに、避難所生活で足りない日用品や衣類などを運び出したくなります。

自宅に簡単に戻ることができない被災者も多くいますので、ボランティアが家具の移動や部屋の片づけ、荷物の運び出しを行うケースもあります。

このほかにも、各地から寄せられる救援物資の仕分けや配送、高齢者や障害を持っている人(要配慮者)の買い物や通院の付き添いなど、ボランティアの活動は多岐にわたります。

復旧活動が進んで、次第に避難所運営が縮小されていっても、ボランティア活動は避難所や仮設住宅、被災者の自宅など、幅広い範囲で求められるだけではなく、それぞれの被災者の要望に応じたきめ細かなサポートが要求されるようになります。

たとえば、自宅へ戻る人には、壊れた家屋の修理や荷物の運び出し、掃除や簡単な部屋の模様替えなど、いろいろな活動が必要となります。

また、避難所から仮設住宅に移った人は、隣近所に知り合いがいないケースが多く、部屋に閉じこもりがちになってしまうことも考えられます。

仮設住宅の居住者を対象としたお茶会などのイベントの提供や運営サポート、安否確認を兼ねた居住者訪問なども期待されます。

避難所に長期間とどまらざるを得ない人達を支えるため、気分転換のための行事の企画や運営のサポート、子どもに勉強を教えたり遊び相手になったりすることなども予想されます。

特に、避難所や仮設住宅、自宅と、被災者の暮らしの場所は異なっても、高齢者や障害を持つ人(要配慮者)に対してはきめ細かな活動が期待されます。

買い物や通院、通学の付き添いや、生活するうえでの介助も重要です。

長期的なサポートを行ううえで、とても大切なのは心のケア。精神的な面でサポートすることが、被災者の新しい生活をバックアップします。

このように、被災地でのボランティア活動はさまざまな分野で長期間に及ぶことがあります。
もちろん、その全てに参加しなければならないのではなく、自らの自由な意志によりできる範囲で行動することが原則です。
ただし、次のようなボランティアは被災地にとって「迷惑ボランティア」となりますので、注意しましょう。
まず、でしゃばりボランティアです。避難所などの責任者を無視したり非難して、自分の思い込みで勝手に行動するボランティアはさまざまな軋轢を生むだけで被災地では望まれません。
次に、指示待ちボランティアです。ひとつひとつ何をやるのか、どうやるのかを聞きに来て、避難所の責任者などに手間ばかりかけるボランティアも望まれません。

こうした点に注意して被災者のバックアップに努めることは、ご自身にとっても大きな財産になるでしょう。