2.電気設備から発生する災害とその対策

もっとも危険な災害が「感電」です。その対策としては――

電気製品は水や湿気が苦手です。バスルーム、ベランダ、流し台、洗面台など、水のかかりやすい場所には置かないようにしましょう。

とくに洗濯機は、水を使うため、ちょっとした故障でも漏電や感電が起きる場合があります。

洗濯機などについている緑のアース線。これを、アース端子か地中に埋めた銅板やアース棒等にしっかり接続しましょう。万一漏電したときも、漏れた電気を地面に逃してくれます。


水気のある所で使うことが多い洗濯機、衣類乾燥機、食器洗い機などは必ずアースを取り付けましょう。

冷蔵庫なども取り付けた方が安全です。

ただし、ガス管にアース線を接続すると、爆発の危険性があります。絶対にしてはいけません。(水道の蛇口付近にアース線を接続しても、その先に硬質塩化ビニルパイプが使用されている場合があるので、アースとしては期待できません。)

火災のうち、電気を原因とするものが2割近くもあります。その対策もしっかり考えましょう。

まず電気ストーブや白熱灯のそば、こたつの中には、衣類など燃えやすいものを置かないことです。

テーブルタップのコンセントには流せる電流が表示されています。その表示以上の電流を流すと、コードが過熱して火災の原因になることがあります。

そこで、テーブルタップの能力を超えたタコ足配線は止めましょう。
また、コンセント、プラグ、スイッチなどの接触が悪い場合も過熱の原因になることがあります。
スイッチの入り切りは確実に行いましょう。
コンセントやプラグに、ゆるみを感じたらそのままにせず修理してから使用しましょう。

プラグを抜くときも、コードをむりやり引っ張らないこと。コードが傷んだり、プラグの刃が曲がったりして、断線や過熱の原因になります。プラグの抜き差しは本体を持って、ていねいに扱いましょう。

プラグを長い間差し込んだままにしておくと、チリやホコリがたまり、そこに湿気が加わると漏電や火災の原因になることがあります。ときどき乾燥した布でホコリをはらいましょう。

とくに家具のうしろや、冷蔵庫、洗濯機など、常時差し込んだままのプラグは、ほこりがたまっている恐れがあります。ときどき点検しましょう。

また、コードが家具の下敷きになっていませんか?コードを傷めて、外からの圧力で中の電線が切れることもあります。コードをたくさん束ねている場合も、コードに熱がこもり危険です。

さらに、コードを柱や壁に、ステープルなどで固定するとコードの被覆や心線を傷つけ危険です。コードを固定して使うことは禁じられています。絶対に行なわないでください。

漏電遮断器は、漏電を感知すると自動的に電気を止め、火災や感電事故を未然に防いでくれる安全装置です。特定のコンセント回路だけを保護する取り付け工事が不要な、コンセント差し込み型漏電遮断器もあります。ご利用ください。

なお、分電盤への漏電遮断器の取り付けや、アース棒の埋設工事、配線の増設などは、電気工事士の資格を持っていないとできません。必ず電気工事店に依頼しましょう。

チャプター