2.ガス安全(LPガス編)

1.はじめに
青く、美しいガスの炎。

ガスは、その埋蔵量も膨大で、今後も安定した供給が永く見込まれる、信頼性の高いエネルギーです。

また、生み出す熱量も高く、リーズナブルなガスは、私達の「食」の幅を広げ、「住」の環境を快適にしてくれます。

今やガスは、日常生活に必要なエネルギーとして、その一役を担っているのは言うまでもありません。

これから、そんな「ガス」との絆を深めながら、「いざ」という時の正しい防災知識を学んでいきましょう。

2.ガスの種類
ガスは、大きく分けて二種類に分別されます。

一つは、都市ガスと呼ばれるもの。もう一つは、LPガスと呼ばれるものです。

一般的に都市ガスは、道路に埋められた導管によって供給されます。

一方、LPガスは、各家庭に設置された容器による供給が中心です。

都市ガスには、空気より軽い場合と重い場合があります。一方、LPガスは空気より重いという性質を持っています。空気より軽いガスは部屋の上方へ移動し、空気より重いガスは部屋の床へたまることになります。

ガスそのものには、匂いはありませんが、空気中に漏れても分かるように独特の臭いがつけられています。

また、都市ガス、LPガスとも、一定の濃度に達しない限り、燃焼、爆発することはありません。

3.LPガスを安全に使う為のポイント1
皆さんは、ガス器具を正しく使い、定期的な点検を行なうことが必要だというのは、十分ご理解されていると思います。

ガス器具の点検については、範囲があるのです。

LPガスをお使いの場合は、容器からガスメーターまでを供給設備と呼び、LPガス販売店が維持管理します。ガスメーターの出口からガス器具や排気筒までを消費設備と呼び、所有者や使用する人の維持管理責任になります。また、容器を持ち運んで使用するガスメーターのない質量販売の場合は、容器からガス器具までを使用する人が維持管理します。

LPガスの設備は、専門の保安機関が定期的に点検・調査を行っています。その結果、消費設備で改善が必要と判断した場合は、配管設備や器具の更新措置などに協力して頂くことがあります。供給設備の維持管理と改善は、LPガス販売店が行います。

4.LPガスを安全に使う為のポイント2
ガス管の安全を確認したら、次は家庭内のゴム管などの点検をしましょう。

ゴム管に関しても、固くなったり、ひび割れたりしていないかどうか定期的に点検し、もし、ひび割れなどを発見したら、ガス漏れの危険があるので、ゴム管を交換して下さい。

ゴム管を交換するときは、ガス栓とガス器具に記された赤い線までしっかりと差し込み、必ず指定のゴム管止めでそれぞれを固定して下さい。

特に、キッチンやお風呂場などは常に水や湿気にさらされ腐食しやすい環境ですので、白色系のソフトコードへ交換して下さい。

また、使わないガス栓には、ガス栓キャップをかぶせて下さい。

その他、ガス栓とガス器具をつなぐ接続具は、その形状によって接続方法が異なります。

新しくガス栓やガス器具を交換した時には、それぞれの取り扱い説明書をよく読んで、正しい接続をして下さい。

また、旧型のガス栓をお使いの方は、万が一ゴム管が外れたり、切れたりして大量のガス漏れがあった時、自動的にガスを止めてくれる安全装置が内蔵されたヒューズガス栓に交換することをお奨めします。

5.LPガスを安全に使う為のポイント3
「ガス臭い!」と感じたら、器具栓やガス栓を閉めて火を止め、玄関の扉や窓を開け、すぐに新鮮な空気を取り入れます。

LPガスの場合は、容器のバルブを時計回りに回して容器バルブを閉めて下さい。

その際、換気扇や空気清浄機などの換気器具のスイッチは、電気火花でガスに引火する恐れがあるので、絶対に操作しないで下さい。

特にLPガスを使用している場合、ガスは空気より重いので、室内の床などの低い箇所の換気も十分に行って下さい。

すぐに、LPガス販売店か緊急時連絡の保安機関に連絡し指示を受けてください。

6.LPガスを安全に使う為のポイント4
地震が発生しました!

震度5相当以上の地震では、ガスを使用中であっても、自動的にガスが止まります。
先ずは、机の下に隠れるなどをして、身の安全を確保して下さい。

揺れがおさまったら、念のためにガス機器の火を確認し、できればガス栓も閉めて下さい。

周囲の状況が把握出来るようになったとき、「ガス臭い!」・・・と感じたら、ガス漏れの危険があります。直ぐに換気をして下さい。

LPガス容器のバルブを時計回りに回して容器バルブを閉めて下さい。

その際、換気扇や空気清浄機などの換気器具のスイッチは、電気火花でガスに引火する恐れがあるので、絶対に操作しないで下さい。

玄関の扉や窓を開け、新鮮な空気を入れて下さい。

特に、LPガスの場合は、空気より重いので、室内の床などの低い箇所の換気も十分に行って下さい。換気をして安全を確保したら、念のため屋外にあるガスメーターのメーターガス栓を閉めて下さい。

その後、ガス会社に連絡して、指示を受けて下さい。大規模な地震の場合は、連絡がなくてもLPガス販売店がチェックを行います。

7.LPガスを安全に使う為のポイント5
災害は、天災だけとは限りません。例えば、ガスコンロ使用時に起きる、天ぷら油火災です。

天ぷら油火災は、揚げ物中にその場を離れてしまったときなど、人間の油断が引き起こす人為的なものです。天ぷら油は、温度がおよそ摂氏360度に達すると発火します。

こうした火災を消火するための、エアゾール式簡易消火具がありますが、天ぷら油火災の消火には、ハロンタイプのものは有効ではないとの報告があるため、強化液タイプのご使用をお勧めします。

油は一度発火すると、急激に油温が上昇し、およそ摂氏400度になるとハロンタイプの簡易消火具では、火が消えたように見えてもすぐに再燃し、消火に失敗してしまう可能性が極めて大きいのです。

しかし、強化液タイプの簡易消火具を使用すれば、上昇した油温も発火温度以下に下げることができることから、消火の開始時期が多少遅れてもほぼ確実に再燃することなく消火することができます。

天ぷらを揚げている最中にその場を離れる時は、弱火でも油温が上昇して火災になる危険性があります。必ず火を消しましょう。

また、ガスコンロで調理中にコンロ越しに物を取ろうとして衣服に着火する着衣着火にもご注意下さい。特に綿やレーヨンなど、生地の表面が起毛されている衣服は表面フラッシュ現象で着火しやすくなります。ガスコンロの奥に調味料などを置かないように注意して下さい。

火災の原因として、ガスストーブによるものもあります。

ガスストーブの付近には、スプレー缶や衣類など燃え易いものは置かないで下さい。

特にお子様が居るご家庭では、火傷などに注意しましょう。

ガス風呂釜の空焚きも、火災の原因になります。細心の注意を払って下さい。

8.LPガスを安全に使う為のポイント6
ちょっとした不注意によるガスの使用中の災害は、天ぷら油火災などのほかに、ガスの不完全燃焼によって起こる、「一酸化炭素中毒」があります。

ガスは、燃えるとき、多量の空気を必要とします。この空気が足りなくなると、ガスは不完全燃焼を起こし、その結果一酸化炭素が発生するのです。

一酸化炭素を長時間吸い続けると、頭痛や不快感に襲われ、中毒を起こし、思わぬ結果を招く恐れがあります。

この様な事態を避ける為にも、ガス器具を使うときには「常に新鮮な空気」を入れて下さい。

例えば、キッチンでガスコンロや小型湯沸し器を使う場合は、必ず換気扇を使用するか、窓を開けて換気をして下さい。

小型湯沸し器で浴槽へ給湯したり、シャワーとして使用したりするなど、長時間の連続使用は不完全燃焼の原因となり危険です。絶対に止めて下さい。

居間などでガスストーブを使う時は30分に一回程度、新鮮な空気を取り入れましょう。

自然排気式の風呂がまを使用している時は、換気扇を使用しないで下さい。

一見、換気扇を回した方がいいかと思われがちですが、換気扇を回すと、排ガスが逆流して中毒を起こすことがあるからです。

また、吸気口は不完全燃焼の原因になるので、ふさがないで下さい。

9.LPガスを安全に使う為のポイント7
不完全燃焼による一酸化炭素中毒は、ガス器具の点検を行うことによっても、防止できます。

例えば、お風呂の排気筒・煙突内に鳥が巣を作っていたり、詰まっていたり、または外れていたりすると、不完全燃焼を招く危険があります。定期的に点検をして、安全を確認して下さい。

小型湯沸し器では、熱交換器の目詰まりなどが、不完全燃焼の原因になります。熱交換器のフィンに汚れや詰まりがないかチェックして下さい。

FF暖房機、ファンヒーターは、エアフィルターのお掃除を行って下さい。

ガスコンロでは、バーナーの部分が目詰まりすると、不完全燃焼を起こす危険が生じます。器具ブラシなどで定期的にお手入れをして下さい。

古いタイプの金網ストーブをお持ちの方は、金網部分に変形や、損傷が無いか点検して下さい。自分で点検ができない場合は、ガス会社へ点検を依頼して下さい。

10.LPガスを安全に使う為のポイント8
業務用厨房設備をお使いの方は、次のことに注意して下さい。

換気設備を作動させる等により換気は十分に行って下さい。

特に、共用機械排気ダクトで行っている場合、排気ファンが稼動している時間内にガス機器を使用するようにご注意下さい。

また、排気ダクトは普段から清潔にするように心がけましょう。

ダクトや換気扇に溜まった油やホコリは、火災の原因に成りかねません。

ガス管のチェックも忘れずに行って下さい。

ガス管は調理の際の水分や塩分、酸が付着して腐食しやすくなります。

スノコなどを敷いている場合は、時々スノコを上げて、ガス管を点検して下さい。

11.ガス機器が持つ防災設備 (LPガス)
ガスの設備や機器には、万が一の時に備えて、様々な安全装置が取り付けられています。

例えば、屋外で皆さんが目にする「ガスメーター」にも、災害を未然に防ぐ為の、様々な機能が備えられています。

「マイコンメーター」は、ガスの使用量を計るだけでなく、災害を未然に防ぐ様々な機能が付いています。

例えば、地震などの強い揺れが発生した時などには、自動的にガスを遮断します。

マイコンメーターの復帰も、至ってシンプルです。

最初にガス栓、器具栓を全て閉めてください。容器バルブを閉めた場合は、容器バルブを開きます。メータ前方左側の遮断弁開スイッチを押し赤いランプが点灯したらすぐに手をはなします。およそ1分後、液晶表示"ABC"の点滅が消えます。赤いランプの点滅と液晶表示が消えたらガスを使用できます。

更に、ガス機器にも、様々な防災機能が備えられてきています。

例えば、ガスコンロには「立ち消え安全装置」や「調理油過熱防止装置」を備えたものがあり、小型のガス湯沸し器には、不完全燃焼を防止する装置が付いたものなどがあります。

その他、ガスファンヒーターなどにも、不完全燃焼を防止する装置が取り付けられたものがあります。

また、万が一ガス漏れが発生した時に備えて、「ガス漏れ警報器」などが開発されています。

ガスによる事故を防ぐ為に、ガス設備や機器は常に進化しています。

そこにあなたの、ガスの防災に関する知識が加われば、ガスによる事故は限りなく「ゼロ」に近づくのです。

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