平成21年版 消防白書

1 出火状況

(1)1日当たり143件の火災が発生

平成20年中の出火件数を1日当たりで見ると143件の火災が発生したことになる(第1-1-1表、第1-1-2表)。

b1-1-1.gif
b1-1-2.gif

(2)建物火災は全火災の57.4%

火災を6種類に区分し、その構成比をみると、建物火災が全火災の57.4%で最も高い比率を占めている。次いで、車両火災、林野火災、船舶火災、航空機火災の順(その他の火災を除く。)となっており、昭和60年(1985年)以降その順位は変化していない(第1-1-3表)。

b1-1-3.gif

(3)冬季・春季に火災が多い

平成20年中の出火件数を四季別にみると、火気を使用する機会の多い冬季から春季にかけて多く発生しており、総出火件数の57.3%を占めている(第1-1-4表)。

b1-1-4.gif

(4)出火率は4.1件/万人

平成20年中の出火率(人口1万人当たりの出火件数)は、全国平均で4.1件/万人となっている(第1-1-1表、第1-1-5表)。

b1-1-1.gif
b1-1-5.gif

また、出火率を都道府県別にみると、最も高いのは高知県の5.4となっており、一方、最も低いのは、富山県の2.1で、同県は平成3年(1991年)以降連続して最も出火率が低くなっている(第1-1-6表)。

b1-1-6.gif

(5)火災の覚知は119番通報、初期消火は消火器

平成20年中の消防機関における火災覚知方法についてみると、火災報知専用番号(119番)による通報が71.1%と最も多い(第1-1-2図)。

a1-1-2.gif

また、初期消火の方法についてみると、消火器を使用したものが20.8%と初期消火が行われたもの(63.7%)の中で最も高い比率になっている。一方で、初期消火を行わなかったものは36.3%となっており、この値を平成10年(1998年)と比較すると1.3ポイント増加している(第1-1-7表)。

b1-1-7.gif

関連リンク

はじめに
はじめに 我が国の消防は、昭和23年に消防組織法が施行され、市町村消防を原則とする自治体消防制度が誕生して以来、関係者の努力の積重ねにより制度、施策、施設等の充実強化が図られ、火災の予防、警防はもとより、救急、救助から地震、風水害等への対応まで広範囲にわたり、日々国民の安全の確保に努めているところで...
1 はじめに
特集 消防と医療の連携の推進 ~消防と医療の連携による救急搬送の円滑化~ 1 はじめに 救急業務は、国民の生命・身体を事故や災害、疾病等から守り、安心・安全な社会を確保するものであり、国民にとって必要不可欠な行政サービスとして定着している。 近年、医療の進歩とともに、傷病の発生初期に実施すると効果的...
2 救急搬送における医療機関の受入状況
2 救急搬送における医療機関の受入状況 全国各地における救急搬送時の受入医療機関の選定困難事案の発生を受けて、消防庁では救急搬送における傷病者の搬送・受入状況を把握するために、「救急搬送における医療機関の受入状況等実態調査」を実施し、平成19年における 〔1〕 重症以上傷病者搬送事...
3 消防法の改正
3 消防法の改正 (1)改正までの経緯 救急搬送における受入医療機関の選定が大変厳しい状況にあることを踏まえ、平成19年から平成20年にかけて「救急業務高度化推進検討会」に「消防機関と医療機関の連携に関する作業部会」を設け、円滑な救急搬送・受入医療体制を確保するための対策について検討が重ねら...