3 その他の措置
(1)災害危険箇所に対する措置
消防庁では、都道府県、市町村に対し、洪水や高潮等による浸水想定区域や内水浸水想定区域、土砂災害警戒区域、土砂災害危険箇所をはじめとする災害危険箇所等の情報について、標識の配置、広報誌、パンフレット、ハザードマップ、地区別防災カルテ等の配布、インターネットの利用、説明会の開催等により、平常時から地域住民に周知徹底を図ることを求めている。 また、土砂災害警戒区域、急傾斜地崩壊危険区域、地すべり防止区域等の指定区域以外の箇所においても土砂災害が発生していることから、従来危険性が把握されていなかった区域もあわせて再点検を行うよう求めている。 本年は、平成21年8月通知において、都道府県に対し、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律に基づき、警戒避難体制の整備等に関する調査を実施し、速やかに、土砂災害警戒区域等の指定を実施すること、市町村が作成するハザードマップについて、砂防、河川、治山及び農業用施設等の専門的知見に基づく技術的助言などを行うことを求めた。
(2)二次災害防止対策の強化
災害発生後も引き続き気象情報等に留意しつつ警戒監視を行い、安全が確認されるまでの間、災害対策基本法に基づく警戒区域の設定、立入規制、避難勧告等必要な措置を講じるとともに、救助活動や応急復旧対策の実施に当たっての十分な警戒等を行うことが必要である。
(3)自主防災組織の育成等
風水害による被害を最小限にとどめるためには防災機関の活動のみならず、住民自らの災害に対する日常の備えが不可欠であり、地域防災を担う自主防災組織の育成強化を進める必要がある。 消防庁では、地域における自助・共助の向上による総合的な防災力の強化を図るため、都道府県、市町村に対し、地域防災の中核的役割を担う消防団・自主防災組織を対象とした、災害時の円滑な対応のための研修等の実施を求めている。 また、避難勧告などを発令するにあたっては、川の水位や土砂災害の監視情報など現場の情報を、いかに正確かつ迅速に把握することができるかが重要となるが、市町村の職員のみでは、現場の状況を十分に把握することは難しい。そのため、刻々と変化する現場の状況を、地域に詳しい消防団員等の確認・報告を通じて、的確な避難勧告等の発令につなげる取組を、各市町村において進めていくことが期待されている。