平成21年版 消防白書

第4章 自主的な防災活動と災害に強い地域づくり

[防火防災意識の高揚]

平成20年中の火災を原因別にみると失火が全体の65.6%を占めていること、危険物に係る事故については原因の多くが人的要因にあること、地震や風水害における避難や二次災害の防止等については地域住民の日ごろからの備えや、災害時の適切な行動が基本となることなどから、災害に強い安全な地域社会をつくるためには、国民の防火防災意識の高揚に負うところが極めて大きい。
そのため、家庭、職場を問わず国民一人ひとりが常に防火防災に関心を持つとともに、それぞれが日ごろから自主防災の意識を持ち、災害が発生した場合に的確に対処できるような基礎知識を身に付けておくことが大切である。
このような観点から、消防庁では、年間を通じてテレビ放送等を利用した啓発を行うとともに、「防災とボランティア週間」(1月15日~21日)、毎年春秋2回の「全国火災予防運動」(春季:3月1日~7日、秋季:11月9日~15日)、「危険物安全週間」(6月の第2週)、「防災週間」(8月30日~9月5日)、「119番の日」(11月9日)などあらゆる機会をとらえて、国民の防火防災意識の高揚を図っている。また、安全功労者に対して総務大臣表彰(毎年7月上旬)を行い、防災功労者に対して消防庁長官表彰(随時実施)を行い、特に功労が顕著な者について、内閣総理大臣表彰(それぞれ毎年7月上旬、9月上旬)が行われている。
今後とも、国民の防火防災に関する関心を喚起し、意識の高揚を図っていく必要がある。

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