3 防災知識の普及啓発
地震や風水害等による災害は日本のどこでも発生する可能性があり、平成21年においても、7月の中国・九州北部豪雨や8月の台風第9号による大雨など、各地で記録的な大雨による大きな被害がもたらされたところである。こうした災害による被害を最小限に食い止めるためには、国、地方公共団体が一体となって防災対策を推進するとともに、国民一人ひとりが、出火防止、初期消火、避難、救助、応急救護等の防災に関する知識や技術を身に付け、日ごろから家庭での水、食料等の備蓄、家具の転倒防止等の自主防災を心がけることが極めて重要である。また、防災のための講習会や防災訓練に積極的に参加し、地域ぐるみ、事業所ぐるみの防災体制を確立していくことが災害時の被害軽減につながる。
このため、政府は、毎年8月30日から9月5日までを「防災週間」(大正12年(1923年)に関東大震災が発生した9月1日を「防災の日」)、毎年1月15日から21日までを「防災とボランティア週間」(平成7年(1995年)に阪神・淡路大震災が発生した1月17日を「防災とボランティアの日」)と定めて、国民の防災意識の高揚を図っている。とりわけ、「防災週間」では大規模防災訓練等を中心とした行事が行われ、「防災とボランティア週間」では、全国各地で防災写真展や防災講習会、消火・救助等の防災訓練等の事業が実施されている。
このほか、消防庁においては、年間を通じ、テレビ放送等により、防災知識の普及啓発を行うとともに、地方公共団体では、防火教室の開催、自主防災組織の育成などを通じて、住民、事業所等に対する防災知識の普及啓発に努めている。
また、消防庁では、地方公共団体において実施される一般向けの防災研修を支援することを目的として、講師となる地方公共団体職員向けの「防災研修カリキュラム・講師支援教材」を作成した(消防庁ホームページ参照URL:http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/2007/200717-1houdou_z.pdf)。この中では、受講者の興味を引きやすく、理解を促すための基本的なカリキュラムについて例示するとともに、研修に活用することを想定した教材、資料作成に活用できる写真素材などを掲載している。