平成21年版 消防白書

2 消防機関における研究の概要

消防機関においては、主に、消防装備・資機材等の改良等、消防隊の勤務形態に関する研究、火災性状に関する研究など火災等の災害現場に密着した技術開発や応用研究、防災資機材等の改良等を行うとともに、火災原因調査に係る原因究明のための研究(調査、分析、試験等)が行われている。また、火災予防、住宅防火、初期消火等に関する普及・啓発方法等に関しての研究も実施されている。
また、平成7年(1995年)の阪神淡路大震災以降、多くの消防機関において、地震時の出火防止対策や消火等の地震対策研究も行われている。
一方、消防防災科学技術研究開発制度において、現場ニーズ対応型研究開発枠やテーマ設定型研究開発枠を設定し、火災等の災害時の消防防災活動や防火安全対策など課題解決型の研究課題を優先的に採択する方向となっていることもあり、消防機関が大学、研究機関、民間企業等と連携して研究開発を行う事例が増えてきている。

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