平成22年版 消防白書

第3節 石油コンビナート災害対策

[石油コンビナート災害の現況と最近の動向]

1 災害件数と被害

平成21年中に、昭和50年に制定された石油コンビナート等災害防止法に基づく石油コンビナート等特別防災区域(P.74参照。以下「特別防災区域」という。)の特定事業所*1で発生した災害の件数は177件で、前年(207件)と比較すると30件の減少となっている(第1―3―1図)。

*1 特定事業所:第1種事業所(石油の貯蔵・取扱量が1万キロリットル以上又は高圧ガスの処理量が200万立方メートル以上等である事業所)及び第2種事業所(石油の貯蔵・取扱量が千キロリットル以上、高圧ガスの処理量が20万立方メートル以上等である事業所)をいう。

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事故件数は、近年増加していたが平成19年をピークに平成20年、平成21年と減少している。
また、平成21年中に発生した事故による死傷者数は、死者1人、負傷者50人であり、損害額は32.7億円である。
なお、災害の原因をみると、設備の劣化や故障などの物的要因が87件(49.2%)、管理面や操作面などの人的要因が84件(47.5%)となっている。

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