平成22年版 消防白書

第2節 消防職団員の活動

1 活動状況

(1)出動状況

平成21年中における全国の消防職団員(消防職員及び消防団員)の出動状況をみると、火災等(火災、救助活動、風水害等の災害、捜索、誤報等及びその他をいう。)への出動回数は98万7,805回で、出動延人員は781万9,250人である。また、1日平均にすると2,706回、32秒に1回の割合で出動したことになる。
このうち、消防団員の火災等への出動回数は22万5,574回、出動延人員は305万8,931人となっている(第2―2―1表)。

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(2)消防団員の活動状況

日本では、全国各地で地震や風水害等の大規模災害がたびたび発生しており、多くの消防団員が出動し、常備消防と連携しながら、昼夜を分かたず多岐にわたる活動を行っている。
平成22年6月から7月にかけての梅雨期における大雨など、風水害における水防活動や住民の避難誘導、同2月にチリ中部沿岸で発生した地震よる津波の影響で多くの住民が避難するなどの事態が発生した際の消防団員の献身的な活動は、地域に大きく貢献している。
このように全国の消防団は、地域の防災力の中心として、不眠不休で果敢に活動し、被害の拡大防止や、地域住民の安心・安全の確保に貢献している。その支えとなっているのが、日頃の訓練と「自らの地域は自らで守る」という崇高な郷土愛護の精神である。消防団員は、地域に居住又は勤務する住民により構成され、地域に密着しており、地理や住民の居住先等の地域情報を十分に把握しているため、大規模災害時には特に能力を発揮している。
一方、平常時の活動としては、訓練のほか、応急手当等の普及指導や住宅の防火訪問の実施、広報紙の発行など、各地で活発な取組が行われている。
このように、消防団は地域における身近な消防防災のリーダーとして、地域の安心・安全のため重要な役割を担っている。

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