平成22年版 消防白書

3 今後の取組について

各都道府県及び各消防本部の事情等にもよるが、一般的に消防救急デジタル無線システムの運用開始に向けた設計・整備に要する期間は、4年程度(基本設計1年、実施設計1年、整備(工事・試験を含む。)2年程度)と考えられることから、遅くとも平成24年度には基本設計に着手する必要があり、その観点からは平成23年度中に消防本部の管轄区域等を確定し、基本設計に向けた諸準備を行う必要があると考えられる。
また、消防救急デジタル無線システムの整備に当たっては、整備費用の低廉化の観点から、局舎や鉄塔等の共同整備・共同利用の計画により、事業費を抑制する必要がある。
このため、消防庁では、消防救急デジタル無線システムの円滑な導入に資するため、各種財政支援、専門的知見を有した技術アドバイザーの派遣、設計・整備時における各種の知見を得るための実証試験、設計・整備時に必要となる知識等をまとめた設計・整備マニュアルの策定等の各種技術支援を推進している。各都道府県及び各市町村で取り組まれているデジタル化については、こうした支援措置を活用して、期限内に円滑に実施することが求められている。

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