平成22年版 消防白書

トピックスV 消防団の充実強化について

1 消防団の重要性

我が国は、昔から地震、台風、火災などの災害が多く発生しているが、消防団は、「自らの地域は自らで守る」という崇高な郷土愛護の精神に基づき、これらの災害に日夜立ち向かい、地域の安心・安全の確保に大きく貢献している。
東海地震や東南海・南海地震、首都直下地震などの大規模地震の切迫性が指摘されており、阪神・淡路大震災をはじめとする災害の経験から明らかとなったように、特に大規模災害時には、常備消防の力だけでは十分ではなく、要員動員力、即時対応力、地域密着性を持った消防団の活動が欠かせない。
また、近年集中豪雨等の風水害が頻発する中で、消防団が様々な自然災害に対処する中核的存在としてその力を確実に発揮することが国民の安心・安全の確保にとって極めて重要となっている。
さらに、消防団は、災害時以外の活動においても、戸別訪問による防火指導や応急手当の普及指導、地域行事の際の警戒等、地域に密着した多様な活動を展開しており、消防・防災力の向上、地域コミュニティの活性化にも大きな役割を果たしている。
このように、消防団は、その活動や能力の面で、地域防災力の要として活躍することが期待されているところであり、その充実強化が求められている。

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