平成24年版 消防白書

3.火災による損害額

消防本部(消防本部を設置していない場合は市町村)は、火災原因の調査に合わせて火災の損害についても調査を行っており、その調査結果から、損害額を算定している。
火災による損害額は3,080億円を記録した平成7年(1995年)以降おおむね減少傾向が続いているが、平成23年中の損害額は1,128億円で、前年(1,018億円)に比べ110億円(10.8%)増加した。また、火災1件当たりでも225.6万円となっており、前年(218.4万円)に比べ7.2万円(3.3%)増加している(第1-1-18図)。

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これを出火原因別でみると、電灯電話等の配線による損害額が8,156百万円と最も多く、次いでたばこ6,923百万円、ストーブ5,462百万円の順となっている(第1-1-19図)。

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火災による損害額は、建物火災によるものが圧倒的に多く全体の91.7%を占めている(第1-1-1表)。

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