4.出火原因
平成23年中の総出火件数5万6件のうち、失火による火災は3万3,195件(全体の66.4%)であり、失火の多くは火気の取扱いの不注意や不始末から発生している(第1-1-20図)。
また、出火原因別にみると、放火が5,632件で最も多く、次いでたばこが4,752件、こんろが4,178件の順となっている(第1-1-21図)。
(1) 「放火」による火災が15年連続して第1位
放火による出火件数は、平成15年以降おおむね減少傾向が続いているが、平成23年中の放火による出火件数は5,632件で、前年(5,612件)に比べ20件(0.4%)増加しており、全火災(5万6件)の11.3%を占め、15年連続して出火原因の第1位となっている。これに放火の疑いを加えると9,563件(全火災の19.1%、対前年度比0.1%増)となる(第1-1-11表、第1-1-21図、第1-1-22図)。
放火による損害額は39億480万円で、これに放火の疑いを加えた損害額は72億1,065万円となる(第1-1-11表)。
次に、放火及び放火の疑いによる火災を発火源別にみると、ライターによるものが2,919件(全体の30.5%)と最も多くなっている(第1-1-11表)。
また、放火及び放火の疑いによる火災1件当たりの損害額を時間帯別にみると、午前0時~午前2時の時間帯で損害額が多くなっている (第1-1-23図、附属資料II-18)。
(2) 「たばこ」による火災の58.4%は、不適当な場所への放置によるもの
平成23年中のたばこによる火災は4,752件で、全火災(5万6件)の9.5%を占めている(第1-1-13表、第1-1-21図)。
たばこによる火災の主な経過別出火状況をみると、不適当な場所への放置によるものが2,773件(58.4%)であり、半数以上を占めている。たばこが原因の火災による損害額は、69億2,337万円となっている(第1-1-13表、第1-1-19図)。
(3) 「こんろ」による火災の59.3%は消し忘れによるもの
平成23年中のこんろによる火災は4,178件で、全火災(5万6件)の8.4%を占めている。こんろの種類別では、ガスこんろによる火災が最も多く3,733件(89.3%)で、こんろによる火災の大半を占めている。こんろによる火災の主な経過別出火件数をみると、59.3%に当たる2,478件が消し忘れによるものである(第1-1-12表、第1-1-21図)。
(4) 着火物は前年と同様「枯草」が第1位
平成23年中の全火災の着火物別出火件数は枯草が7,826件と全体の15.7%を占め、最も多くなっている(第1-1-14表)。