2.流出
危険物施設における平成23年中の危険物の流出事故の発生件数は、平成元年以降流出事故が最も少なかった平成6年(1994年)の174件と比較すると、危険物施設数は減少しているにもかかわらず、約2.3倍に増加している。当該流出事故の主な発生要因については、人的要因によるもの、物的要因によるものいずれも多数発生しているが、特に腐食等劣化、故障、破損等の物的要因によるものが増加している。
(1) 危険物施設における流出事故発生件数と被害
平成23年中の危険物施設における危険物の流出事故の発生件数(火災に至らなかったもの)は396件(対前年比39件増)、損害額は276百万円(対前年比197百万円減)、死者はなく(前年同数)、負傷者は12人(前年同数)となっている(第1-3-7図)。

また、危険物施設別の流出事故の発生件数をみると、一般取扱所が最も多く、次いで給油取扱所、屋外タンク貯蔵所の順となっている(第1-3-8図)。

一方、危険物施設における流出事故発生件数のうち、99.7%が石油製品を中心とする第4類の危険物の流出となっている。これを品名別にみると、第2石油類(軽油等)、第3石油類(重油等)、第1石油類(ガソリン等)、第4石油類(ギヤー油等)の順となっている(第1-3-9図)。

(2) 危険物施設における流出事故の発生要因
平成23年中に発生した危険物施設における流出事故の発生要因をみると、人的要因が37.6%、物的要因が52.5%、その他の要因、不明及び調査中を合計したものが9.8%となっている(第1-3-10図)。

また、腐食等劣化によるものが138件(対前年比9件増)と最も多く、次いで操作確認不十分によるものが44件(対前年比6件増)、維持管理不十分によるものが40件(対前年比3件減)となっている(第1-3-10図)。
(3) 無許可施設における流出事故
無許可施設における平成23年中の流出事故の発生件数は1件(対前年比5件減)であり、死者及び負傷者は発生していない(前年同数)。
(4) 危険物運搬中の流出事故
平成23年中の危険物運搬中の流出事故の発生件数は12件(対前年比1件減)であり、死者はなく(前年同数)、負傷者は7人(対前年比6人増)となっている。