平成24年版 消防白書

3.消防・救助技術の高度化の推進

救助技術の高度化等を推進するため、「消防・救助技術の高度化等検討会」(第1回開催:平成9年(1997年)度。平成23年度までは「救助技術の高度化等検討会」として開催。)を毎年度開催している。平成24年度は「NBC災害に対する消防・救助活動」について検討を行っている。
特別高度救助隊及び高度救助隊の創設以降、検知、除染等の活動に使用する資機材の高性能化が進むとともに、消防活動上の安全管理手法等の研究が進んでいる。本検討会においては、こうしたNBC災害を取り巻く状況の変化にかんがみ、NBC災害への対応力の向上や救助活動等の迅速化、効率化を図るため、実災害での活動結果や海外での先進事例等を参考にして、現行のNBC災害に関するマニュアルの内容を見直しするとともに、災害態様別の標準的な部隊編成等の検証・検討を行っている。
また、「全国消防救助シンポジウム」(第1回開催:平成10年(1998年)度)を全国の救助隊員等を対象に毎年度開催しており、平成24年度は、「次なる大規模災害に立ち向かうために ~これまでの災害から学び、発展した我が国の救助活動~」のテーマで開催することとしている。

関連リンク

はじめに
はじめに 昭和23年に消防組織法が施行され、市町村消防を原則とする自治体消防制度が誕生して、まもなく65年を迎えようとしています。この間、我が国の消防は、関係者の努力の積み重ねにより着実に発展し、国民の安心・安全確保に大きな役割を果たしてきました。 しかしながら、平成23年3月に発生した東日本大...
第I部 東日本大震災を踏まえた課題への対応
第I部 東日本大震災を踏まえた課題への対応 平成23年3月11日に発生した東日本大震災による被害は、死者・行方不明者約2万人の人的被害、全壊約13万棟、半壊約25万棟の住家被害など、まさに戦後最大の規模となった。 この大災害を受け、消防庁長官の諮問機関である第26次の消防審議会に対し、「広範な地域に...
第1章 地震・津波対策の推進と地域防災力の強化
第1章 地震・津波対策の推進と地域防災力の強化 地震・津波対策については、東日本大震災を踏まえ、平成23年4月に中央防災会議に設置された「東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会」の報告(平成23年9月28日)にあるように、発生頻度の高い津波のみならず、発生頻度は極めて低いも...
1.防災基本計画の修正と災害対策基本法の改正等
1.防災基本計画の修正と災害対策基本法の改正等 (1) 防災基本計画の修正と地域防災計画の見直し 前述の中央防災会議専門調査会報告を基に、平成23年12月に開催された中央防災会議において、地方公共団体において作成する地域防災計画等の基本となる「防災基本計画」が修正された。従来、津波対策は震災対策の特...