平成26年版 消防白書

第3節 石油コンビナート災害対策

[石油コンビナート災害の現況と最近の動向]

1.事故件数と被害

平成25年中に石油コンビナート等特別防災区域(P. 83参照。以下「特別防災区域」という。)の特定事業所*1で発生した事故の総件数は229件で、その内訳は地震及び津波による事故(以下「地震事故」という。)が1件、地震事故以外の事故(以下「一般事故」という。)が228件となっている。一般事故について前年と比較すると、総件数は前年(248件)より20件減少している(第1-3-1図)。

*1 特定事業所:第1種事業所(石油の貯蔵・取扱量が1万キロリットル以上又は高圧ガスの処理量が200万立方メートル以上等である事業所)及び第2種事業所(石油の貯蔵・取扱量が千キロリットル以上又は高圧ガスの処理量が20万立方メートル以上等である事業所)をいう。

a1-3-1.gif

事故の種別は、火災82件(前年比17件減)、爆発5件(前年比1件減)、漏えい133件(前年比2件増)、その他9件(前年比3件減)となっている(第1-3-1表)。

b1-3-1.gif

一般事故の発生件数の推移をみると、石油コンビナート等災害防止法施行後は減少傾向にあったが、平成6年(1994年)から増加傾向に転じ、平成18年に急増した。その後、平成20年、平成21年と2年連続して減少したが、依然高い水準にある。
平成25年中に発生した事故による死傷者数は、死者1人、負傷者15人である。
また、一般事故の原因をみると、設備の劣化や故障などの物的要因が126件(55.3%)、管理面や操作面などの人的要因が96件(42.1%)となっている。

関連リンク

平成26年版 消防白書(PDF版)
平成26年版 消防白書(PDF版) 平成26年版 消防白書  はじめに 今後発生が予測される大規模災害への対応と消防防災体制の強化 ~東日本大震災の教訓を生かす~  特集1 緊急消防援助隊の機能強化  特集2 消防団等地域防災力の充実強化  特集3 最近の大規...
はじめに 今後発生が予測される大規模災害への対応と消防防災体制の強化 ~東日本大震災の教訓を生かす~
はじめに 今後発生が予測される大規模災害への対応と消防防災体制の強化 ~東日本大震災の教訓を生かす~ 平成23年3月11日に発生した東日本大震災では、死者・行方不明者が約2万名、住家における全壊が約13万棟、半壊が約27万棟に被害が及び、それは戦後最大の自然災害の脅威とも呼べるものであった(1表)。...
特集1 緊急消防援助隊の機能強化
特集1 緊急消防援助隊の機能強化 東日本大震災では、発災日から88日間にわたり、延べ約3万1,000隊、約11万人の緊急消防援助隊が消防・救助活動に尽力し、5,064人の人命を救助した。 南海トラフでは、過去100年から150年程度の周期でマグニチュード8クラスの海溝型地震が発生しており、東海、東南...
1.南海トラフ地震、首都直下地震等に備えた大幅増隊
1.南海トラフ地震、首都直下地震等に備えた大幅増隊 東日本大震災を上回る被害が想定される南海トラフ地震等に備え、大規模かつ迅速な部隊投入のための体制整備が不可欠であることから、平成30年度末までの目標登録隊数をおおむね4,500隊規模からおおむね6,000隊規模に増強することとしている(特集1-1表...