第6節 救助体制
1.救助活動の実施状況
(1) 救助活動件数及び救助人員の状況
消防機関が行う人命の救助とは、火災・交通事故・水難事故・自然災害や機械による事故等から、人力や機械力等を用いてその危険状態を排除し、被災者等を安全な場所に搬送する活動をいう。
平成25年中における全国の救助活動の実施状況は、救助活動件数5万6,915件(対前年比812件増、1.4%増)、救助人員(救助活動により救助された人員をいう。)5万7,659人(同1,679人減、2.8%減)である(第2-6-1表、附属資料44)。

このうち、救助活動件数の増加の主な要因は、「建物等による事故」が増加したことであり、「建物等による事故」の救助活動件数は2万2,220件(対前年比837件増、3.9%増)となっている。
また、救助人員の減少の主な要因は、「交通事故」及び「水難事故」が大幅に減少したことであり、「交通事故」の救助人員は2万333人(対前年比1,277人減、5.9%減)、「水難事故」の救助人員は2,585人(対前年比1,160人減、31.0%減)となっている。
(2) 事故種別ごとの救助活動の状況
平成25年中には、伊豆大島に記録的な大雨をもたらした台風第26号や埼玉県での竜巻などの自然災害が発生し、二次災害の発生が懸念される状況下での大規模な救助活動が行われた。
また、長崎市の認知症高齢者グループホームや福岡市の診療所などの自力避難が困難な方が入居する施設等での火災が発生し、困難な状況下での懸命な救助活動が行われた。
事故種別ごとの救助活動状況をみると、「建物等による事故」等の種別で救助活動件数が増加する一方で、「交通事故」等の救助活動件数が減少している。
なお、「建物等による事故」の救助活動件数は2万2,220件(対前年比837件増、3.9%増)であり、平成20年以降、第1位の事故種別となっている。
また、事故種別ごとの救助人員をみると、「交通事故」等の種別で救助人員が減少する一方で、「建物等による事故」等の救助人員が増加している。
なお、「建物等による事故」が昭和53年以降の第1位事故種別の「交通事故」を抜き、第1位の事故種別となっている。
救助出動人員(救助活動を行うために出動したすべての人員をいう。)は、延べ133万1,574人である。このうち、消防職員の出動人員は延べ123万2,342人であり、「交通事故」による出動が29.5%、「建物等による事故」による出動が25.6%となっている。一方、消防団員の出動人員は、延べ9万9,232人であり、「火災」による出動が69.9%となっている。
次に、救助活動人員(救助出動人員のうち実際に救助活動を行った人員をいう。)は、延べ55万4,773人であり、救助活動1件当たり9.7人が従事したこととなる。また、事故種別ごとの救助活動1件当たりの従事人員は「風水害等自然災害事故」の27.8人が最も多く、次いで「火災」の16.5人となっている(第2-6-1図、第2-6-2図、第2-6-2表)。


