4.出火原因
平成26年中の出火件数4万3,741件のうち、失火による火災は2万9,262件(全体の66.9%)であり、その多くは火気の取扱いの不注意や不始末から発生している(第1-1-20図)。
また、出火原因別にみると、放火が4,884件と最も多く、次いでたばこが4,088件、こんろが3,484件となっている(第1-1-21図)。
(1) 「放火」による火災が18年連続して出火原因の第1位
放火による出火件数は、平成15年以降おおむね減少傾向が続いており、平成26年中の放火による出火件数は4,884件と前年(5,093件)に比べ209件(4.1%)減少しているものの、全火災(4万3,741件)の11.2%を占め、18年連続して出火原因の第1位となっている。これに放火の疑いを加えると8,038件(全火災の18.4%、対前年比8.5%減)となっている(第1-1-11表、第1-1-21図、第1-1-22図)。
放火による損害額は34億4,290万円で、これに放火の疑いを加えた損害額は58億7,139万円となっている(第1-1-11表)。
次に、放火及び放火の疑いによる火災を発火源別にみると、ライターによるものが2,283件(全体の28.4%)と最も多くなっている(第1-1-11表)。
また、放火及び放火の疑いによる火災1件当たりの損害額を時間帯別にみると、8時~10時の時間帯で損害額が多くなっている(第1-1-23図、附属資料21)。
(2) 「たばこ」による火災の59.9%は不適当な場所への放置によるもの
平成26年中のたばこによる火災は4,088件で、全火災(4万3,741件)の9.3%を占めている(第1-1-12表、第1-1-21図)。
たばこによる火災の主な経過別出火状況をみると、不適当な場所への放置によるものが2,450件(59.9%)と半数以上を占めている。また、たばこが原因の火災による損害額は、45億3,426万円となっている(第1-1-12表、第1-1-19図)。
(3) 「こんろ」による火災の53.2%は消し忘れによるもの
平成26年中のこんろによる火災は3,484件で、全火災(4万3,741件)の8.0%を占めている。こんろの種類別では、ガスこんろによる火災が3,076件(88.3%)と最も多く、大半を占めている。こんろによる火災の主な経過別出火件数をみると、53.2%に当たる1,855件が消し忘れによるものとなっている(第1-1-13表、第1-1-21図)。
(4) 着火物は前年と同様「枯草」が第1位
平成26年中の全火災の着火物別出火件数は枯草が6,515件と全体の14.9%を占め、最も多くなっている(第1-1-14表)。