平成27年版 消防白書

2.消防団における女性消防団員の活躍推進

(1) 女性消防団員を取り巻く現状

女性消防団員数は、平成27年4月1日現在、10年前の平成17年4月1日現在の1万3,864人に比べ8,883人、64.1%増えて、2万2,747人となっており、消防団員の総数が減少する中、その数は年々増加している(トピックス1-4図参照)。しかしながら、女性消防団員がいる消防団は全消防団の64.3%にとどまっている。

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近年、地域の安心・安全の確保に対する住民の関心の高まりなどを背景に消防団活動も多様化しており、実災害での消火活動や後方支援活動などはもちろん、住宅用火災警報器の設置促進、火災予防の普及啓発、住民に対する防災教育及び応急手当指導等、女性消防団員の活躍が多岐にわたって期待されている。
平成26年8月豪雨による広島市土砂災害においても、広島市の女性消防団員が避難所の運営支援活動等に従事し、高い評価を受けた。女性消防団員のいない消防団では、入団に向けた積極的な取組が必要である。

(2) 女性消防団員の活躍推進に向けた取組

ア 消防団への加入促進

平成25年11月8日、平成26年4月25日に続いて、平成27年2月13日、総務大臣からすべての都道府県知事及び市区町村長あてに書簡を送付し、女性の消防団への加入促進に向けた積極的な取組について依頼を行った(特集2-2図 P.16参照)。
加えて、平成27年2月には、日本経済団体連合会などの経済団体あてにも書簡を送付し、女性従業員の消防団加入に対する事業者の理解と協力を呼びかけた(特集2-3図 P.17参照)。

平成27年7月15日、同年4月1日現在の消防団員数の速報値を取りまとめ、女性消防団員数が相当数増加した団体等22の消防団に対して総務大臣から感謝状を授与した。

女性消防団員を更に増加させるため、消防庁では、消防団加入促進モデル事業など女性の入団促進につながる施策を実施するとともに、女性消防団員のいない市町村に対しては、入団に向けた積極的な取組を求めている。

イ 全国女性消防操法大会の開催

平成27年10月15日、女性消防団員等の消防技術の向上と士気の高揚を図るため、横浜市消防訓練センターにおいて「第22回全国女性消防操法大会」を開催した。

ウ 全国女性消防団員活性化大会の開催

全国の女性消防団員が一堂に集い、日頃の活動やその成果を紹介するとともに、意見交換を通じて連携を深めることにより、女性消防団員の活動をより一層、活性化させることを目的として、平成6年(1994年)から「全国女性消防団員活性化大会」を開催している。
平成27年10月29日、佐賀県佐賀市において「第21回全国女性消防団員活性化佐賀大会」を開催した。

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