第3節 石油コンビナート災害対策
[石油コンビナート災害の現況と最近の動向]
1.事故件数と被害
平成28年中に石油コンビナート等特別防災区域(P.102(1.石油コンビナート等特別防災区域の現況)参照。以下「特別防災区域」という。)の特定事業所*1で発生した事故の総件数は252件で、その内訳は地震及び津波による事故(以下「地震事故」という。)が2件、地震事故以外の事故(以下「一般事故」という。)が250件となっている。地震事故は前年(1件)より1件の増加となり、一般事故も前年(234件)より16件の増加となっている(第1-3-1図)。
第1-3-1図 石油コンビナート事故発生件数の推移
画像をクリック(タップ)すると拡大表示します

(備考)「石油コンビナート等特別防災区域の特定事業所における事故概要(平成28年中)」より作成
事故の種別は、火災120件(前年比13件増)、爆発6件(前年比1件減)、漏えい121件(前年比3件増)、その他5件(前年比2件増)となっている(第1-3-1表)。
第1-3-1表 石油コンビナート事故発生状況
(各年中)
画像をクリック(タップ)すると拡大表示します

(備考)
1 「石油コンビナート等特別防災区域の特定事業所における事故概要(平成28年中)」より作成
2 平成28年中の事故では、地震事故が2件発生した。
一般事故の発生件数の推移をみると、石油コンビナート等災害防止法施行後は減少傾向にあったが、平成18年頃から年間200件以上の高い水準で推移している。
平成28年中に発生した一般事故による死傷者数は、死者0人、負傷者32人である。
また、一般事故の原因をみると、腐食等劣化等の物的要因が137件(54.8%)、維持管理不十分等の人的要因が102件(40.8%)となっている。
*1 特定事業所:第1種事業所(石油の貯蔵・取扱量が1万キロリットル以上又は高圧ガスの処理量が200万立方メートル以上等である事業所)及び第2種事業所(石油の貯蔵・取扱量が1千キロリットル以上又は高圧ガスの処理量が20万立方メートル以上等である事業所)をいう。