平成29年版 消防白書

[国際協力・国際交流]

1.国際消防防災フォーラムの開催

近年アジア諸国では、経済発展・都市化が進む中、これまで以上に高度な消防防災体制の構築が必要とされている。このため、人命救助、消火及び火災予防の技術や制度に関しても、これらの国々からの我が国の国際協力への期待は大きい。
このことを踏まえ、消防庁では主にアジア圏内の国において、平成19年度から国際消防防災フォーラムを開催している。これは、我が国の消防技術、制度等を広く紹介し、開催国の消防防災能力の向上を目指すものである。フォーラムは、対象国で広く消防防災関係者を集めて開催され、その内容は対象国の状況を勘案して、適宜決められる。
平成28年度はマレーシアにて開催したが、同国の消防救助局より、日本の消防機関による災害対応についてより詳細な内容を知りたいとの要望があったことから、平成29年度も引き続きマレーシアにて開催した。
本年度のフォーラムでは、石油コンビナート等の防災対策、都市型捜索救助技術、大規模列車事故対応を主なテーマとして、日本側の専門家による制度紹介や事例の共有が行われた。また、フォーラムを我が国の消防防災インフラシステムの海外展開を推進する場としても活用すべく、当日は、日本企業による消防・防災製品の紹介や展示の場を設け、同国の消防救助局だけでなく、消防・防災製品を取り扱う現地消防防災関係企業等も招いた。

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