平成29年版 消防白書

1.女性消防吏員を取り巻く現状

消防本部においては、昭和44年に川崎市が12人の女性消防吏員を採用したことに始まり、以降、横浜市、熊谷市、日立市、所沢市、東京都などで採用を開始した。平成6年には女子労働基準規則(昭和61年労働省令第3号)の一部改正により、消防分野における深夜業の規制が解除された。これにより、女性消防吏員も24時間体制で消防業務に従事できるようになり、現在は、救急業務のほか警防業務を含む交替制勤務を行う女性消防吏員が全女性消防吏員の約5割となっている。
このように、少しずつ女性消防吏員の職域の拡大や、吏員数の増加が図られてきたところであるが、平成29年4月1日現在、全吏員に占める女性消防吏員の割合は2.6%(特集6-1図)であり、警察、自衛隊、海上保安庁といった他の分野と比較していまだに少ない状況である。

特集6-1図 女性消防吏員数・割合の推移

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特集6-1図 女性消防吏員数・割合の推移の画像。女性消防吏員数は、平成20年で2,588人、平成29年で4,240人である。割合は、平成20年で1.7%、平成29年で2.6%である。

消防庁では、消防の分野においても、女性の力を最大限に活用して組織の活性化を推進するための環境整備が重要課題であることから、女性消防吏員が生き生きと職務に従事できる職場環境づくりを、ソフト・ハード両面から支援する方策の検討を目的として、「消防本部における女性職員の更なる活躍に向けた検討会」(以下「検討会」という。)を平成27年3月から7月まで開催した。

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