2．流出事故

危険物施設における平成29年中の危険物の流出事故の発生件数は、平成元年以降流出事故が最も少なかった平成６年（1994年）の174件と比較すると、危険物施設数が減少しているにもかかわらず、約2.1倍に増加している。主な発生要因については、人的要因によるもの、物的要因によるものいずれも多数発生しているが、物的要因によるもののうち、特に腐食疲労等劣化等の経年劣化によるものが増加している。

（1）危険物施設における流出事故発生件数と被害

平成29年中の危険物施設における危険物の流出事故の発生件数（火災に至らなかったもの）は、369件（対前年比13件増）、損害額は434百万円（同163百万円増）、死者は０人（前年同数）、負傷者は29人（対前年比１人増）となっている（第1-2-7図）。

第1-2-7図　危険物施設における流出事故発生件数と被害状況

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（備考）「危険物に係る事故報告」により作成

また、危険物施設別の流出事故の発生件数をみると、一般取扱所が最も多く、次いで屋外タンク貯蔵所、移動タンク貯蔵所の順となっている（第1-2-8図）。

第1-2-8図　危険物施設別流出事故発生件数

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（備考）
1 「危険物に係る事故報告」により作成
2 小数点第二位を四捨五入のため、合計等が一致しない場合がある。

一方、危険物施設における流出事故発生件数のうち、98.6％が石油製品を中心とする第４類の危険物の流出となっている。これを品名別にみると、第２石油類（軽油等）が最も多く、次いで第３石油類（重油等）、第１石油類（ガソリン等）、第４石油類（ギヤー油等）の順となっている（第1-2-9図）。

第1-2-9図　流出物質別流出事故発生件数

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（備考）
1 「危険物に係る事故報告」により作成
2 小数点第二位を四捨五入のため、合計等が一致しない場合がある。

（2）危険物施設における流出事故の発生要因

平成29年中に発生した危険物施設における流出事故の発生要因をみると、人的要因が33.9％、物的要因が55.0％、その他の要因、不明及び調査中を合計したものが11.1％となっている。
また、発生原因別にみると、腐食疲労等劣化によるものが121件（対前年比14件減）と最も多く、次いで操作確認不十分によるもの（同１件増）及び破損によるもの（同19件増）がそれぞれ42件となっている（第1-2-10図）。

第1-2-10図　発生原因別流出事故発生件数

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（備考）
1 「危険物に係る事故報告」により作成
2 小数点第二位を四捨五入のため、合計等が一致しない場合がある。

（3）無許可施設における流出事故

平成29年中の無許可施設における流出事故の発生件数は３件（対前年比３件減）であり、平成28年に引き続き死傷者は発生していない。

（4）危険物運搬中の流出事故

平成29年中の危険物運搬中の流出事故の発生件数は13件（対前年比２件増）であり、平成28年に引き続き死者は発生しておらず、負傷者は５人（同３人増）となっている。

（5）仮貯蔵・仮取扱い中の流出事故

平成29年中の仮貯蔵・仮取扱い中の流出事故は、平成28年に引き続き発生していない。