平成30年版 消防白書

3.熱中症予防の取組

(1)消防庁の取組

消防庁は熱中症予防啓発として、各種コンテンツを消防庁ホームページの熱中症情報サイトにおいて提供し、関係団体に活用を促している(参照URL:http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/fieldList9_2.html)。

  • 熱中症の予防法や対処法、ためらわずに救急車を呼ぶ場合のポイントをまとめた「熱中症予防啓発ポスター」
  • 熱中症予防のポイント等を説明した「予防啓発ビデオ」
  • 消防キャラクター「消太」を活用して熱中症予防を呼び掛ける「予防啓発イラスト」
  • 消防車両等での広報に用いる「予防広報メッセージ」
  • 熱中症の予防法や対処法のポイントを記載した「熱中症対策リーフレット」
  • 消防機関及び地方公共団体の熱中症予防に係る取組をまとめた「熱中症予防啓発取組事例集」
  • 訪日外国人を対象とした救急車利用についてのポイントや、熱中症の予防や応急手当のポイントを掲載した「訪日外国人のための救急車利用ガイド」

平成30年度は、消防庁が作成した予防啓発に係る車両用シートを全国の消防本部に配布し、熱中症予防強化月間中に救急車両等に貼ることで、日常的に地域住民に対して熱中症への予防啓発を行うことを依頼した(特集10-4図)。

特集10-4図 予防啓発コンテンツの一例

画像をクリック(タップ)すると拡大表示します

特集10-4図 予防啓発コンテンツの一例の画像

その他、情報発信として、消防庁のツイッターで熱中症による救急搬送人員の公表や、熱中症の予防と対処についての呼び掛けを行っている。

(2)関係省庁との連携

熱中症に関する取組としては、平成19年度から、熱中症対策に関係する省庁が緊密な連携を確保し、効率的かつ効果的な施策の検討及び情報交換を行うことを目的として、関係省庁で構成する「熱中症関係省庁連絡会議」が設置されている。
平成25年度からは、熱中症に関する普及啓発等の効果をより一層高いものにするため、熱中症による救急搬送人員や死亡者数が急増する7月を「熱中症予防強化月間」と定め、各関係省庁が熱中症に対する予防の呼び掛けを強化している。平成30年度は、日本の各地で連日の猛暑日を記録したことを踏まえ、熱中症関係省庁連絡会議において、熱中症予防強化月間を8月31日まで延長した。
また、消防庁、環境省及び厚生労働省が合同で、外国人を対象とした熱中症の予防方法や、医療機関を受診する際に必要な物品等のポイントを記載した、「外国人のための熱中症予防普及啓発リーフレット」を作成し、消防庁では平成29年8月から消防庁ホームページ熱中症情報サイトに掲載し、関係団体に活用を促している。

関連リンク

平成30年版 消防白書(PDF版)
平成30年版 消防白書(PDF版) 平成30年版 消防白書 (一式)  平成30年版 消防白書 (概要版)  はじめに  特集1 平成30年7月豪雨の被害と対応  特集2 最近の地震の被害と対応  特集3 消防防災ヘリコプターの安全運航体制の強化&n...
はじめに
はじめに この1年は、西日本を中心に多くの河川の氾濫や土砂崩れ等を引き起こした平成30年7月豪雨、震度6弱を観測した大阪府北部を震源とする地震、平成28年4月の熊本地震以来の震度7を観測した平成30年北海道胆振(いぶり)東部地震など、風水害や地震等の自然災害が各地において発生し、多くの人的・物的被害...
特集
特集 人口減少や高齢化に代表される社会の構造の変化、風水害の多発化・激甚化や災害の多様化等、消防を取り巻く状況は常に変化しています。これらに適切に対応していくとともに、今後発生が予測されている南海トラフ地震や首都直下地震をはじめとする地震災害等に備える必要があります。 平成30年においては、大阪府北...
1.災害の概要
特集1 平成30年7月豪雨の被害と対応 1.災害の概要 (1)気象の状況 平成30年6月28日以降、北日本に停滞していた前線は、7月4日にかけ北海道付近に北上した後、5日には西日本まで南下してその後停滞した。 また、6月29日に発生した台風第7号は、東シナ海を北上し、対馬海峡付近で進路を北東に変えた...